【イタリア・ミラノ10日(日本時間11日)発】ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)で、初出場のマキシム・ナウモフ(米国)が亡き両親に感謝を届けた。

 昨年1月に米ワシントン近郊で発生した航空機と軍用ヘリコプターの衝突事故により、ロシア代表として1994年世界選手権ペアで金メダルを獲得した父のワディム・ナウモフ、母のエフゲニア・シシコワを亡くした。悲しみに暮れながらも、全米選手権では3位。大舞台への切符を勝ち取った。

 この日は冒頭の4回転サルコーを含む3本のジャンプをすべて着氷。スピン、ステップも最高難度のレベル4でまとめた。今季自己ベストの85・65点をマーク。演技後に天を仰いで涙を流したナウモフは「今まで経験したことのない感覚だった。この試合は本当に特別だった」と神妙に語った。

 その上で両親への思いについて告白。「両親が私を導いてくれる感覚がある。1つの要素から別の要素へと、まるでチェスの駒や盤のように、私をしっかりと地に足をつけたまま移動させてくれる」と切り出した上で「悲劇や非常に困難な時期は、残念ながら人生のどこかで誰にでも訪れるもの。ただ願うのは、私の物語が誰かの力となり、自らを奮い立たせ続けるきっかけになればということだ」と決意を新たにした。