とにかく打てない――。その一点が、クリーブランドの冬を重くしている。昨季のガーディアンズ打線はwRC+87(MLB28位)、OPS.670(同29位)と〝下から数えた方が早い〟水準。「ハードヒット率」も最下位級で、投手陣が踏ん張っても点が入らない現実が突き付けられた。

 とはいえ、球団の補強は例年どおりおとなしい。ファンが待ち望む「一撃で空気を変える大砲」を連れてくる可能性は高くない。だからこそ、フロントが狙うのは〝再生枠〟の買いたたきだ。

 米メディア「スポーティングニュース」はガーディアンズに対し、ブレーブスからFAとなっているマーセル・オズナ外野手(35)を「1年契約でもいいから獲得すべき」と提言。その一方で、より現実的な「割安のベテラン」候補として、マイケル・コンフォート外野手(32=ドジャースFA)の名がガーディアンズ内部で急浮上しているという。

 契約予想は1年600万ドル(約9億4000万円)。ドジャースでの2025年は打率1割9分9厘、12本塁打と不振だったが、xwOBA(打者の攻撃力を測る指標)はキャリア平均並みで同メディアによると「中身はそこまで崩れていない」という見立てだ。

 昨季、特に外野陣の打撃がリーグ最底辺に沈んだとされる中、コンフォートの「打率1割9分9厘でも12発」という最低ラインすら、ガーディアンズの今の布陣には「現実的な改善」になり得る。あとは環境を替えることによってコンフォートがリズムを取り戻せるか――。というのが、前出スポーティング・ニュースの分析だ。

 ホセ・ラミレス内野手(33)の前後に、カイル・マンザード内野手(25)ら若手、さらにチェイス・デローター外野手(24)、トラビス・バザーナ内野手(23)といった有望株が控える。そこへ世界一連覇を成し遂げたドジャースのクラブハウスを知る左の外野手・コンフォートが加われば、ガーディアンズは〝平均以上〟に戻る可能性が大――。同メディアの指摘通り、こうしたシナリオが進められるなら確かに「外野の穴」は劇的に埋まるだろう。

 鍵は、600万ドルの賭けが「安物買い」か「再生の当たりくじ」か――。開幕までの空気で、その答えが見えてくる。