米球界でドジャースの山本由伸投手(27)を巡る〝格付け〟が思わぬ論争を呼んでいる。問題となったのはMLB公式サイト「MLB.com」が発表したドジャースの「スーパースターランキング」だ。大谷翔平投手(31)が1位、今オフ加入したカイル・タッカー外野手(29)が2位、そして山本が3位という並びに対し、球団専門メディア「ドジャース・ウェイ」のカトリーナ・ステビンズ記者が痛烈な批判を展開した。

 ステビンズ氏は「これは純粋な実力評価ではなく、契約金額に引きずられたランキングだ」と断じる。確かにドジャースはタッカーやエドウィン・ディアス投手(31)の加入により、13人ものオールスター級選手を擁する〝超高額ロースター〟となった。しかし、その中で山本の貢献度がタッカーの後塵を拝する理由は見当たらない、というのが同氏の主張だ。

 野手であるタッカーは毎日出場できる一方、先発投手の山本は5、6日に1度の登板という前提の違いはある。それでも昨季のポストシーズンで山本が果たした役割は異次元だった。ナ・リーグ優勝決定シリーズからワールドシリーズにかけ、3試合で計24イニングを投げ抜いた上、ポストシーズン最終盤でも登板。疲弊しきっていたブルペンを崩壊寸前から救い、結果的にチームを頂点へと導いた。

 レギュラーシーズンに目を向けても、その存在感は際立つ。終盤までノーヒットノーランを継続した試合を含め、安定感は抜群。そして何よりも故障者が続出した先発陣の中で、シーズンを通して健康を維持した〝唯一の柱〟だった点は見逃せない。ステビンズ氏が「それが全てだ」と言い切るのも無理はないだろう。

 同氏はさらに、MLB.comの執筆陣がタッカーの巨額契約に目を奪われ、山本の3億2500万ドル(約488億7000万円)契約を「割安」に見誤っている可能性にも言及。サイ・ヤング賞を2度受けたブレイク・スネル投手(33)がロースターに名を連ねているとはいえ、昨季ドジャースの〝心臓部〟だったのは誰だったのか――。その答えは明白だという。

 タッカー加入を歓迎しつつも「それと山本への侮辱は別問題だ」とステビンズ氏は強調する。スターがひしめく銀河系軍団において、最も静かに、そして最も決定的な仕事をしてきた〝最高かつ最強の男〟。山本の真価を巡る議論は、今後も続いていきそうだ。