ハマのゴッドマザーが6人の新たな息子たちに、あえて十字架を背負わせた。

 DeNA・南場智子オーナー(63)が23日に東京都内の同社本社オフィスで行われた「新人選手本社訪問会」に出席。ドラフト1位ルーキー・小田康一郎内野手(22=青学大)ら新人選手6人に約40分間の講義を行い、プロフェッショナルとしての心構えやファンヘのリスペクトの重要性を説いた。

「これはね、毎年言ってるんだけど、何年リーグ優勝していないと思う?」。終始明るかった南場オーナーの声のトーンが急に重くなったのは講義の最終盤だ。

「何の責任もない君たちに背負わせるのはかわいそうなんだけど、入団してくれたからには一緒にこの十字架を背負ってほしい。ずっと応援して待ってくださっている方たちがいらっしゃるのに、お年を召された方はもう一度優勝が見たいと思いながら、毎年亡くなっているんだよね…」

 チーム最後の優勝は前身の横浜時代の1998年。12球団最長となる27年間もの長きにわたり、リーグ制覇から遠ざかっている。いつの間にやらダイエーの25年連続(前身の74年南海→98年)すら抜いてしまい、プロ野球歴代でも単独3位にまで浮上してしまった。

 講義終了後に行われた記者応対で、この一幕について問われた南場オーナーは「そうね…」と一瞬声を詰まらせてから、「お待たせしているので…。近いところにいったり戦力的に充実していても逃してしまう、悔しい経験も続いています。(2024年に3位からCSを突破し)日本一になった時に、こんなに勝ちというものを喜んでいただけるところを見ましたので。皆さまの切迫感や、待ち望んでいるものがいかに大きいかというものを認識してしまったので。早くお届けしたい」と強い責任感と罪悪感をにじませる。

 余談ではあるが、プロ野球史上、最も優勝から遠ざかっていたチームも横浜(前々身の61年大洋→97年)の37年間。不名誉で切ない記録をこれ以上、更新し続けるわけにはいかない。贖罪(しょくざい)と救済の秋よ今年こそ。港の灯台に火よともれ――。