ポジティブ男が復活か――。広島・新井貴浩監督(48)が21日、和歌山・高野山清浄心院で護摩行を行った。現役時代から継続する恒例の精神修行は22回目。心の師と仰ぐ池口恵観大僧正(89)がたいた約1600本もの護摩木が高さ2メートルを超える火柱となる中、約2時間にわたって一心不乱に真言を唱え続け「毎年、苦しいですね」と至るところに火傷(やけど)をつくった顔で苦行を振り返った。

 荒行を乗り越え、厄払いとなったのか。行を終えた指揮官は、すっかりポジティブモードだ。新井監督は、護摩行を通じて出合った「背暗向明」の四字熟語を自ら持ち出し「暗いものには、暗いことが寄ってくる。そういうのを振り払ってね、真っすぐに光のさす方だけを見て」と、その真意を説明すると「元来、逆境になればなるほど(自分は)燃える」とニヤリ。赤ヘル軍団は今季も昨季に輪をかけて戦前の下馬評はさらに厳しい気配だが、そんな空気を意識してか「クソ~見てろよと思って、火と対峙してました」とすっかり闘魂全開モードだ。

炎の中に何かを見つけた広島・新井監督
炎の中に何かを見つけた広島・新井監督

 そんな鯉将の超・前向き思考には、周囲の球団関係者もホッと胸をなで下ろすところだろう。というのも昨季終了直後には若干、悲壮感も漂っていたためだ。その代表格が、2年連続Bクラスの低迷からの巻き返しを強調した「踏まれても、踏まれても、真っすぐ伸びる麦のように…」の新井語録。これには球団内からも「始まる前からすでに、追い込まれている感が強すぎないか」という声も出ていた。

 そもそも新井監督は、現役時から性格的にも陽気で明るい前向き思考タイプ。ポジティブな人柄と良くも悪くもアグレッシブなプレースタイルがウリで、自らもこれらを武器としてきた。そんな信条を踏まえれば仮に〝踏まれた失敗の過去〟はあったとしても、未来にまで引きずる必要性はないというのが本来の鯉将のイズムでもある。

 行を終えた指揮官は「早く(キャンプが)始まってほしいですね」と思考もすっかり前後裁断した様子。とにかく明るい語録も復活の兆しだ。