大敗しても、ベンチには明るさが残った。巨人は11日の楽天戦(楽天モバイル)に2―8で敗れ、連勝は6でストップ。6月初黒星を喫したが、橋上巨人のムードは崩れず前を向く空気を保っている。
凱旋(がいせん)マウンドは、ほろ苦かった。移籍後初めて古巣・楽天の本拠地で先発した田中将大投手(37)は、両軍ファンの大歓声を背にマウンドへ。だが初回から辰己らに打ち込まれて一挙4失点。2回にもマッカスカーに適時打を浴び、2回5失点でKO。「チームに迷惑をかけた」と唇をかんだ。
打線も滝中の前に沈黙し、7回の押し出し2つによる2点止まり。橋上監督代行は「ちょっと今日は状態があまりよくないようには映りましたね。球速も出てなかったし、彼本来の投球とは程遠かったかなという印象は立ち上がりを見て受けましたね」と受け止めた。
それでも、楽天相手のスイープこそ逃したが、カードは2勝1敗で勝ち越し。12日からの西武3連戦(ベルーナ)を残し、交流戦は9勝4敗2分けで勝ち越しを決めている。前日10日の完勝でセ首位に躍り出た勢いまで消えたわけではない。
注目は、新体制が想像以上に明るく回っていることだ。チーム関係者は「かなり和やか」と証言。その空気をつくる一因が、今カードで古巣対決となった〝楽天人脈〟だ。
巨人には田中将に加え、則本、高梨ら楽天に縁のある現役選手がいる。スタッフにもウィーラー打撃コーチらが名を連ねる。チーム関係者も「楽天から来た人は、なぜか明るいし、よくしゃべるタイプが多い」と舌を巻く。その〝陽キャぶり〟は橋上体制でも発揮されている。
橋上監督代行も2000年代後半、楽天で故野村克也監督の下、ヘッドコーチなどを歴任。いまや「遠慮なし」の間柄だ。「投手の方が僕をだいぶイジりますよ。投手はひどいですよ。楽天時代に一緒にやった田中、則本が率先してやるから、みんな『こんな扱いでいいんだ』みたいになってる」。そう言って白い歯をのぞかせた。
痛い黒星の裏で浮かび上がったのは、ベンチの距離を縮める〝愛のイジリ〟だ。橋上巨人の快進撃を陰で支えているのは、仙台時代から続く楽天の明るい遺産なのかもしれない。











