野球日本代表・侍ジャパンにWBC連覇への期待が高まり始めている。今大会の中心メンバーとなるのは、やはり世界最強の大谷翔平投手(31=ドジャース)だ。大谷をはじめとするMLB組には2月末からの合流が要請され、再び大フィーバーの予感も漂っている。今大会で初遭遇する選手たちとの化学反応も注目されるが、リスクもあるようで…。

 3月に開幕する第6回大会を前に、代表入りする全選手は2月6日に発表され、中旬から宮崎で合宿を行う。井端監督は27日からバンテリンドームで2試合行われる中日との強化試合に、メジャー組に合流するよう要請している。

 実現すれば、「大谷狂騒曲」の幕開けは必至。世界最高峰の舞台でトップを極め続けるスーパースターの〝降臨〟はファンならずとも待ち遠しいところだ。何よりも同僚となる選手たちにとって、個々の野球人生の中でもこれ以上ない財産となることは間違いない。

 一方で、特大の引力とカリスマ性を持つ大谷との交流には危険性もはらんでいる。特に今大会が初めての共闘となり、〝免疫〟が少ない佐藤輝明内野手(26=阪神)らだという。

 佐藤輝といえば、プロ入り当初から国際舞台への憧れを繰り返し公言し、現在進行形で近い将来のメジャー移籍を模索中。昨季、飛躍的に打撃成績を向上させた背景には「大谷選手を映像などで参考にしフォーム改造に取り組んだ」ことが奏功したとも明かしている。

 まさに生きた手本が目の前に現れる格好で本人から盗みたい技術や聞きたいことも山ほどあるだろうが、指導経験も豊富な球界OBの一人は「だからこそ佐藤輝や森下の打撃がおかしくなってしまう可能性もある」と指摘した。

 実際、あまりの異次元ぶりを目の当たりにし、調子を崩してしまった選手もいる。2023年の第5回大会に参戦した村上宗隆内野手(25=ホワイトソックス)は、前シーズンで打率3割1分8厘、56本塁打、134打点という圧倒的な成績をマーク。3冠王に輝き、大きな期待を背に本大会に臨んだが「大谷さんやダルビッシュさんのトレーニングを取り入れるうちに何が正解だか分からなくなって」と、極度の打撃不振に陥った要因を後に明かしていた。

 本人の言葉通り、東京ドームでの1次ラウンド4試合では12打数2安打、1打点と散々な打撃内容。マイアミに戦いの地を移した決勝トーナメント以降は復調し、米国代表との決勝戦では大会1号となる貴重なソロアーチもマークした。

 しかし、〝後遺症〟は大会終了後も続き、当時所属していたヤクルトで開幕直後の3、4月も25試合出場で打率1割5分7厘、2本塁打、12打点と不振から抜け出せぬまま。絶対的主砲の出遅れも響き、前年までセ・リーグを連覇していたチームも5位でシーズンをフィニッシュした。

 阪神の同僚・森下らとともに、ロースター入りを決めた佐藤輝は「大変光栄です。日の丸を背負って夢の舞台であるWBCを戦える喜びと誇りを胸に自分の役割をまっとうし、全力で頑張ります」とコメント。日ごろはマイペースな態度を貫くが、今回ばかりは高揚感と緊張感が、行間からにじみ出ていた。

 WBCや五輪など国際的な大舞台への出場は、その後のキャリアに多大な影響を及ぼしてきた。二刀流スーパースターとの交流はどんな変化を引き起こすのか――。