何でも来い!? 令和初の3冠王・村上宗隆内野手(25)がホワイトソックスに入団し、夢のスタートラインに立った。米メディアの間では三振率の高さからMLBでの活躍を疑問視されるが、NPB側からは別の対応力も高く評価されている。日本球界でほぼ消滅した乱闘もメジャーではたびたび発生。村上はたった一人で相手首脳陣に抗議した過去もあり、〝絶滅危惧種〟の希少性も兼ね備えている。
村上が加入したホワイトソックスは昨季まで3年連続で100敗以上。ヤクルトからポスティングされた当初はヤンキースやメッツ、レッドソックスなど資金力が豊富な球団が有力とされた。しかし、最終的に本人が合意したのは低迷続きの〝弱小球団〟。球団側からもチーム再建への救世主として大きな期待をかけられている。
ただ、ネックとして付きまとっているのが打撃の安定感。「パワーは申し分ない」とされる一方、「バットにボールを当てることが難しい」などと厳しい評価も受けてきた。3冠王に輝いた2022年は「20・9%」だった三振率が昨季は「28・6%」、空振り率も「31・7%」から「36・7%」に悪化していたためだ。とはいえ、23年のWBCでも絶不調だった打棒が大会終盤に完全復活。打撃の対応力はたけており、低評価を吹き飛ばすだけの可能性を十分秘めている。
何よりも、常人離れした精神力の強さは他の追随を許さない。セ・リーグ球団の関係者の一人が「今時、あんな選手はいないよ。日本では村上ぐらいでしょ。相手のベンチに抗議する度胸があるのは」と舌を巻いていたのが、21年に起きた〝7・6事件〟だ。
ヤクルトの本拠地・神宮球場で行われた阪神戦で、三塁の守備に就いていた村上は二塁走者の動きに不自然な動きがあると指摘。サイン盗みを疑われた阪神ベンチは激高し、矢野監督(当時)ら首脳陣は怒号を上げ、試合が中断する事態となった。
さらに、疑惑を否定する猛虎陣営に対して村上は「動いたらアカンすよ」と応戦した上、いきり立つ阪神ベンチに1歩、2歩…と詰め寄り始めたのだった。塁審と相手の三塁コーチに制止されて事なきを得たが、当時21歳だった村上が見せた行動は衝撃を与えた。
別の球界関係者も「1歳でも年下なら後輩という世界で、相手の監督に意見するなんて考えられない。村上は若いけど、どこか昭和の香りがする。ああいう勝負に対する姿勢は、メジャーで受け入れられやすいはず」と語った。
かつての日本球界では乱闘が頻発していたが、現代は激減。その理由は球団の垣根を越え、日本代表チームが結成される機会が増えたことだとされる。一方、MLBでは報復死球をはじめ乱闘騒ぎが起きることも珍しくない。
平成生まれながら、昭和世代の選手のような武骨さを併せ持つ大砲。入団会見では「やり抜く自信はある。壁に当たった時に乗り越える力はあると思っている」と決意を口にした。殴り合いを望んではいないだろうが、〝乱闘上等〟のスタイルはホワイトソックスに新たな風とともにカツを入れそうだ。
【数々の伝説的シーン】かつての日本球界では「乱闘はグラウンドの華」と言われるほど常態化し、数々の伝説的シーンが生まれた。1987年6月11日の巨人―中日戦(熊本)では、死球に激怒したクロマティが宮下の顔面に強烈な右ストレートをお見舞い。89年9月23日の西武―ロッテ戦(西武球場)では、左ヒジに当てられた清原が平沼にバットを投げつけた上、助走をつけてジャンピングニー気味のヒップアタックを敢行した。
MLBでは22年6月26日(日本時間27日)のエンゼルス―マリナーズ戦で、報復死球を巡って8人が退場。昨年6月19日(同20日)のドジャース―パドレス戦でも乱闘寸前のもみ合いとなり、両チームの監督らが退場処分となった。













