このままエスカレートすれば、最悪の場合は侍ジャパンにも飛び火しかねない――。3月の第6回WBCで連覇を目指し、再び日の丸を背負って共闘する見込みのドジャース・大谷翔平投手(31)とブルージェイズ・岡本和真内野手(29)。2023年大会ではともに戦い、世界一の栄冠をつかんだ間柄だが、両者の思惑とは裏腹に所属球団同士の〝場外戦〟が過熱している。
発端となったのは、5日(日本時間6日)に更新されたブルージェイズ公式X(旧ツイッター)の投稿だ。岡本と4年総額6000万ドル(約94億円)で合意したことを受け、日本語で「おはようございます、ブルージェイズファンのみなさん!」とつづった。その上で巨人4番の岡本がロッテ時代のドジャース・佐々木朗希投手(24)から満塁弾を放つ動画も公開したことで、大きな波紋を呼び起こしている。
映像は日本での試合中継を切り取ったもの。2022年3月18日のロッテとのオープン戦(東京ドーム)で岡本は3点を追う5回二死満塁の場面で佐々木の159キロ直球をバックスクリーン右へたたき込み、逆転のグランドスラムを放っている。被弾した佐々木がマウンド上で唇をかむ姿も映し出されていた。
これに即座に反応したのが、米ドジャース専門メディア「ドジャースウェイ」だった。「ブルージェイズ、岡本和真選手をめぐりドジャースを挑発しようと史上最悪のX投稿」と題した記事を配信。同記事は「ブルージェイズがワールドシリーズ(WS)でドジャースに敗れたことは、この冬、カナダ人全員の心の中で多くの意味で忘れられない出来事なのだろう」と皮肉を交えつつ、「この契約をドジャースへの揶揄(やゆ)に利用するのは筋違いだ。ブルージェイズがドジャースから最後の笑いを奪うには、まだ長い道のりがある」とも指摘し、ア・リーグでの戦いに集中すべきだと論じた。
ただでさえ緊張感が漂う両球団の関係を、さらにこじらせかねないのが今オフの移籍市場の目玉であるカイル・タッカー外野手(28=カブスFA)の去就だ。ドジャースとブルージェイズによる一騎打ちの様相を呈する中で米全国紙「USA TODAY」のボブ・ナイチンゲール記者は、ドジャースがブルージェイズからFAとなっているボー・ビシェット内野手(27)よりもタッカー獲得に動く可能性が高いと分析。同記者は「タッカーの方が可能性は高い。テオスカー・ヘルナンデス(外野手=33)は1年後にFAになる。外野陣はある程度組み合わせて起用できるため、タッカーはドジャース外野陣に最適だ」と述べている。
昨年のWSではドジャースが第5戦で王手をかけられるなど、ブルージェイズに崖っぷちまで追い詰められた。カナダ出身で世界的ラッパーのドレイクが大谷をSNSでディスれば、移動便の遅延を巡るデーブ・ロバーツ監督(53)の発言がカナダメディアから猛批判を浴びるなど場外での火種は尽きない。
ブルージェイズが公式の場であおりを続ければ、侍ジャパン内での大谷と岡本、さらには山本由伸投手(27)との関係性にも影響が及びかねないだろう。メジャーで頂点を目指すライバル球団同士とはいえ、いまはクールダウンが求められているのかもしれない。












