安心安全のジャパニーズ・ブランドを守れるか――。アストロズに正式入団した今井達也投手(27=前西武)が大きな〝使命〟を背負っている。

 近年低迷した西武で3年連続の10勝を挙げ、昨季は防御率1・92。アストロズとは3年総額5400万ドル(約84億3000万円)で合意し、5日(日本時間6日)に開かれた入団会見では「優勝する準備はできている。さあ、行くぞヒューストン!」と英語でもあいさつした。

 今井の名前はドジャース・山本由伸投手(27)らの活躍もあり、すでに「ネクスト・ヨシノブ」として知れ渡り、移籍1年目から先発ローテーションの軸となる活躍を期待されている。MLBスカウトの一人も「先発のクオリティー、レベルの高さはメジャー以外では日本が世界でダントツのナンバーワン」と絶大な信頼を口にした。

 ただ、今井のプレーは今後の「予備軍」にも影響するという。まずは〝品質保証〟で前出スカウトは「日本のトップ投手の信頼度を改めて証明する意味でも、今井がMLBでどんなパフォーマンスをするかは大事」と語る。さらに選手会とオーナーの間で結ばれている現行の労使協定が、今年12月1日(同2日)に失効する。

「2021年のようにオーナー(球団)側がロックアウトに踏み切れば、契約に関する交渉事も全面的にストップする。となれば、新規参入の市場は確実に例年よりも狭くなる」。市場が停滞すれば、通常はまとまる契約もまとまりづらくなる。当然、契約交渉はよりシビアに順位づけされ、最悪の場合は後回しにされて〝破談〟に終わるケースも想定される。だからこそ今井の活躍がますます重要になってくる。

「これまでのように〝日本人の先発は特別〟と、高い需要のカテゴリーであり続けられるのか。あるいは、山本や今永昇太はあくまでも個人の力であり、(日本投手を)特別視する必要はなくなるのか」

 夢のスタートラインに立った今井は、〝メード・イン・ジャパン〟の投手ブランド維持と向上の一翼を担っている。