新日本プロレス4日東京ドーム大会で、東京五輪柔道100キロ級金メダルのウルフアロン(29)がNEVER無差別級王者のEVILを絞め落とし、衝撃のプロレスデビューを飾った。

丸刈り姿で登場したウルフアロンに、東京ドームは騒然
丸刈り姿で登場したウルフアロンに、東京ドームは騒然

 昨年6月の新日本入団発表から半年を経て、プロレスラー・ウルフがついにベールを脱いだ。初戦の相手は、遺恨が募り自ら対戦を志願した怨敵EVILだ。極悪軍「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」のリーダーからは負ければ丸刈りと柔道着禁止を要求されていたが、何と丸刈りにして入場。日本初の五輪金メダリストレスラーはかつての栄光に別れを告げるように、柔道衣を脱ぎ捨て黒のショートパンツにニーパット姿でリングに上がった。

 柔道全日本男子監督で2004年アテネ五輪金メダルの鈴木桂治氏が和太鼓を叩いてエールを送り、約4万6913人の大観衆も声援を送った。リングに上がったウルフだが、ゴング前に仕掛けて応戦。こん身のエルボーを叩き込んだ。さらにショルダーアタックで吹っ飛ばす。コーナーへのラリアートからブレーンバスター、続けてエルボードロップをぶち込んだ。

EVIL(手前)のパウダー攻撃を受けるウルフアロン
EVIL(手前)のパウダー攻撃を受けるウルフアロン

 ところが場外でH.O.Tに集団暴行にあい、EVILからイス攻撃の洗礼を浴びた。さらにEVILが、「目を覚ましてください」と、ばかりに意味深な飛行機ポースで挑発。執ようなカバーでウルフのスタミナを奪っていく。

 ただ、ウルフはスタミナなら誰にも負けない。水平チョップから一本背負いで逆襲。さらにH.O.Tのメンバーも投げ飛ばすが、EVILのパウダー攻撃にあいダウン。SCOPION DEATHLOCKで捕獲されるも、決死の表情でロープに逃れた。強烈なラリアートをしのぐと、WWEランディ・オートンばりのカウンターのパワースラムで吹っ飛ばした。

ハイフライフローも繰り出したウルフアロン(上)
ハイフライフローも繰り出したウルフアロン(上)

 続けてカート・アングルのアングルスラムを敢行。「いくぞー!」との雄たけびからコーナーに上がり、棚橋弘至の必殺技ハイフライフローで追い込んだ。ここでH.O.Tが再び乱入して、ウルフはテーブルを叩きつけられた。なおもドン・ファレのスプラッシュを浴びてテーブル葬に…。それでもラリアートをくらっても、カウント2で返す。EVILを背負いで返して、逆三角絞めだ。両脚でぐいぐい首を絞め上げると、そのまま失神して、レフェリーストップに追い込んだ。

 柔道界でメダリストのデビュー戦では、1997年4月の新日本・東京ドーム大会で当時のIWGPヘビー級王者・橋本真也を裸絞めで破った、バルセロナ五輪銀メダルの小川直也以来の衝撃。小川はノンタイトル戦での勝利だったが、ウルフは初陣でベルトを奪取する大快挙を果たした。

ベルトを巻き、万感の表情のウルフアロン
ベルトを巻き、万感の表情のウルフアロン

 ウルフは「もっともっと高みを目指していく。(ベルトは)率直にめちゃくちゃうれしいが、地に足をつけていく」ときっぱり。今後戦いたい選手には、同世代のKONOSUKE TAKESHITA(竹下幸之介)の名を挙げた。大観衆のウルフコールから受けた「うれしかった」と率直に語った金メダリストは、棚橋引退の日に新時代の扉を開けた。