新日本プロレス来年1月4日東京ドーム大会で引退試合を行う棚橋弘至(49)と、プロレスデビュー戦に臨む2021年東京五輪柔道男子100キロ級金メダルのウルフアロン(29)が17日、都内の道場でスパーリングを公開した。それぞれの大一番を前に刺激を与え合うと、棚橋はスーパールーキーに初年度での〝天下取り〟を期待。熱いエールを受け取ったウルフも闘志を燃やした。

 同大会で棚橋はオカダ・カズチカ(AEW)とのラストマッチ、ウルフはNEVER無差別級王者のEVILへの挑戦を控えている。それぞれの大一番へ向け、初めてリング上で肌を合わせる機会が実現。実戦形式のスパーリングも披露され「組んだ瞬間に『この人には勝てない』みたいなものがあるんですよ。瞬発力が本物なので」(棚橋)、「棚橋さんと組ませていただいて、やっぱり技術力の高さを実感しました」(ウルフ)とそろって充実の表情を浮かべた。

 公開練習を終えた棚橋は取材に応じ、ウルフの潜在能力に太鼓判を押した。「普通のヤングライオンじゃないし、年齢的にも29じゃないですか。常識は意識しなくていいから、ウルフなりのプロレスラー像を見つけて駆け上がっていくことを期待しています。(ビル)ゴールドバーグみたいに何連勝とかあっても面白いし、そういう存在になってほしいですね」と、世界最大団体WCWでデビューから173連勝の記録を打ち立てた〝超人類〟の再現を期待。来年度の東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞へ向け「新人賞を超えてMVPを狙うくらい大きく行ってほしいですね」と、初年度MVP取りの可能性まで言及した。

 これを受けウルフは「ありがたいですけど、まずはしっかり地に足をつけて自分の目指せるべきところを目指していくことが大事かなと」とまずはデビュー戦に集中しつつ「最終的にそれがMVPにつながるならうれしいですし、棚橋さんがそう言ってくれるのはモチベーションになりますね」と目を輝かせた。

 14日熊本大会では反則を繰り返す「ハウス・オブ・トーチャー」の前に現れ、EVILとの大乱闘を展開。「試合が近づいてきて少しずつ感情が高まってきてますし、自然とそれが出てきてる感じですね」と振り返った。

 極悪軍団を相手にあらわにしている〝怒り〟は、団体創始者の故アントニオ猪木さんが最も重要視していた感情だ。ウルフは「柔道時代は(怒りが)あったとしても表には出してなかったですよね。ただ闘争心をぶつけるのがプロレスという競技だと思うので、そこはセーブせずに出せるものはすべて出したいなと。僕も徐々にプロレスラーになってきてるってことじゃないですか」とニヤリ。100年に一人の逸材がリングを去るその日に、新たなスターが生まれるのか、注目だ。