ドジャース・大谷翔平投手(31)にとって移籍2年目の2025年も素晴らしいシーズンだった。投手復帰を果たし、自己最多の55本塁打を放った。そして球団初のワールドシリーズ(WS)連覇という最高の形で終えた。レギュラーシーズン158試合、ポストシーズン17試合、さらにオールスター戦1試合と出場した計176試合は名場面ばかりだ。2月のキャンプから約9か月密着した番記者たちに一番印象に残ったプレー、瞬間を聞いた――。
ドジャーブルー2年目のシーズンは3月に東京で開幕して、11月のカナダ・トロントで終わった。GOAT(Greatest Of All Time)、ユニコーンと呼ばれるだけにこの1年も輝きは鮮烈だった。
3月19日のカブスとの東京シリーズ第2戦で、期待を裏切らず25年1号。おそらく東京ドームの天井をかすめただろう。
6月16日の本拠地パドレス戦では、2度目の右ヒジ手術から663日ぶりの投手復帰。2番アラエスの4球目に最速100・2マイル(約161・3キロ)を投げて驚かせた。
ロサンゼルス・タイムズ紙のジャック・ハリス記者は「大谷が二刀流として完全復帰したこと。2度目のトミー・ジョン手術明けなのに、投手としても以前と変わらないレベルで投げていたのは、本当にアメージングだった」と振り返る。
7月11日の敵地ジャイアンツ戦の3回一死三塁、オラクル・パークの右翼場外の「マッコビー湾」に32号2ラン。日本選手初の〝スプラッシュヒット〟となった。8月13日はかつての本拠地エンゼル・スタジアムでトラウトと対戦。23年3月のWBC決勝以来の対戦で、2打席連続見逃し三振を奪った。
2度目のポストシーズン(PS)開幕戦の9月30日のレッズ戦では初回に先頭打者弾を放ち、WS連覇に弾みをつけた。
それ以外にも名場面はあるが、やはり極め付きは10月17日のブルワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第4戦だろう。先発して7回途中無失点で10奪三振、打者では3本塁打を放ち「野球史上最高の試合」と称される大活躍だった。
米スポーツサイト、アスレチックのファビアン・アルダーヤ記者は「NLCS第4戦。おそらくこれまでのどの選手による試合の中でも、史上最高の試合だったと思う。あれ以上のものを挙げるのは難しい」と大絶賛。
LAタイムズ紙のハリス記者も「まさに彼がメジャーでやりたかったことをすべて体現した試合だった。二刀流として、どちらの側でもトップクラスにあることを証明した。メジャーで8年、それまでにも日本で何年もかけてここまで積み上げてきたすべてが、あの一試合に凝縮されていたと思う」と賛辞を惜しまない。
MLB公式サイトのソーニャ・チェン記者もNLCS第4戦のすごさは認めるものの、選んだのは4月2日の本拠地ブレーブス戦だ。大谷は5―5の9回一死、相手守護神イグレシアスから中堅左にサヨナラ3号ソロを放ち、開幕からのチームの連勝を8に伸ばした。
「開幕8連勝を決めたあの一打が、このシーズンのトーンをつくったと思う。今では少し忘れられがちだけど、もしあのスタートダッシュがなかったら、地区優勝も危なかったかもしれない。そう考えると、あの一発は本当に大きかった。そしてあの瞬間が、このチームがどんな力を持っているかを示すものだったと思う」
最後はオレンジカウンティー・レジスター紙の重鎮ビル・プランケット記者が選んだのは、10月27日のWS第3戦と先発した翌28日の第4戦だ。延長18回の死闘の末、フリーマンの一発でサヨナラ勝ちした第3戦で大谷は2本塁打2二塁打で4打数4安打3打点、4敬遠を含む5四球でPS史上初の1試合9出塁をマーク。第4戦は7回途中4失点で負け投手になった。
「ワールドシリーズでの9回出塁した18イニングの試合。そして翌日に投げたあの2日間がハイライトだった」
投打二刀流が完全復活する2026年。史上初のサイ・ヤング賞と本塁打王のダブル獲得も想像の範囲内だ。どんな「SHO―TIME」を見せてくれるのか、期待は膨らむ。MLBの歴史にさんぜんと輝くであろうシーズンの開幕が待ちきれない。



















