〝親心〟の裏に隠された願いとは――。来年3月に開催されるWBCに向け、井端弘和監督(50)率いる侍ジャパンでは8選手の出場が決まった。

 大谷(ドジャース)、松井(パドレス)、菊池(エンゼルス)のメジャー組を除く伊藤(日本ハム)、大勢(巨人)、種市(ロッテ)、平良(西武)、石井(阪神)の5投手はいずれもNPB勢。年内に救援や第2先発をこなせるメンバーを正式発表した背景には「WBC球に慣れてほしい」(侍関係者)との思いがあるという。

 普段から手にするNPB球よりも大きく、わずかな感覚の違いも投手にとっては雲泥の差。種市、平良、石井はWBC初選出で少しでも長い準備期間を設けたい考えの表れとみている。

 ただ、それだけではない。本番ではNPBの一軍の試合にはない投球間隔に時間制限を設ける「ピッチクロック」だけでなく、リリーフ陣には打者1人にだけ投げるワンポイントの禁止、最低でも3人に投げるなどWBC独自のルールに順応しなければならない。 侍ジャパンに選出されたNPB勢は来年2月中旬から宮崎で強化合宿を行う。その時点でWBC球に不安を残すようでは「出遅れ」につながりかねない。だからこその〝早期発表〟で対応を求めているというわけだ。

 前出の侍関係者は「日本ならリリーフの方が1球投げるのに時間をかけるだろうけど、WBCではそうはいかない。普段の間合いとは真逆ともいえるテンポの速さで投げなければいけない」と警鐘を鳴らす。

 NPBでプレーする投手ほど投球リズムも異なり、登板ごとにかかる負荷も大きくなる。侍指揮官に与えられた猶予とともに、宮崎合流時には相応の〝完成度〟を求められそうだ。