後半戦無双の要因とは──。ソフトバンクがパ・リーグ連覇と日本一奪回を果たした立役者の一人に上沢直之投手(31)が挙げられる。

 今季からホークスに加入した右腕は自己最多タイとなる12勝を挙げ、防御率2・74を記録。移籍1年目から期待された役割を見事にこなした。中でも後半戦は9試合に登板して6勝負けなし、防御率1・74と無双状態ともいえる圧倒的な成績を残した。21日に福岡市内で開かれたトークショーでは「後半戦の大事な時期に結果を残せたのはよかった」と安堵の表情で当時を回想した。

 右腕が敵なし状態に突入できた背景には複数の要因が挙げられる。上沢本人が語った8月20日の西武戦(みずほペイペイ)の試合前に投球フォームの感覚をつかんだこともその一つ。そして、後半戦でバッテリーを組み続けた海野隆司捕手(28)が挙げたのがフォークだった。

「上沢さんのフォークは後半から(捕球が)難しくなった。落差もあるし、無回転なのでどこに落ちてくるか分からない」

 上沢はもともと落差が大きくないフォークを投げていたが、同球種を武器とする杉山や藤井らのチームメートから握り方や感覚を聞いて改良。フォークの使い手が多い鷹投手陣の中で主戦捕手が「捕るのが難しい」と真っ先に挙げる〝魔球〟へと変貌を遂げた。捕手にとって難しい球種が打者にとって厄介な球になることは自明。後半戦の躍進につなげた。

 シーズンを通してバッテリーの呼吸も徐々に合ってきた。上沢は海野について「捕手として持っているものはかなり高い。キャッチングがいいし、(自分の時だけではなく)結構ボール球をストライクにしていると思う。そういうのは僕らからしたらすごく助かる」と感謝を口にした。

 上沢―海野のコンビがさらなる〝無双バッテリー〟と化せば、来季はさらなる白星量産を期待できそうだ。