ドジャース大谷翔平投手(31)が今度は科学者を脱帽させた。ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は12日(日本時間13日)、「今、自分が見たものが信じられない」と思わされる名場面が相次いだ今年のスポーツ界を振り返り、象徴的存在として、大谷を筆頭に挙げた。

 同電子版が今年の大谷のハイライトとして真っ先に取り上げたのが、10奪三振、3本塁打という離れ業を演じたブルワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦だ。この異次元のパフォーマンスについて、スタンフォード大学で人間の身体能力を研究する研究組織「ウー・ツァイ•ヒューマン・パフォーマンス・アライアンス」のディレクター、スコット・デルプ氏に分析を求めた。

「ここまで度を越えていると、正直、頭が真っ白になる。私でさえ、『今、見たものは二度と起こらないかもしれない』と、科学者としての帽子を脱いでしまう瞬間だ」

 同氏によると、大谷について説明できることが二つあるという。一つ目は、その〝世代を代表するアスリート〟としての資質。「大谷はウィリー・メイズやベーブ・ルースのような世代を象徴する存在で、遺伝的な能力をすべて備えている。その上で、彼らとは違い、徹底的にトレーニングされた存在でもある」と、現代スポーツの進化を象徴したアスリートである点を強調した。

 二つ目は、〝科学だけでは測りきれない要素〟だ。

「いわば〝バイブ(流れ)〟のようなものが起きている。彼がいて、何かが起こり、それが自信となって積み重なり、彼は持っている内在的な能力とすべてのトレーニングを、その瞬間に引き出している。その〝その場で結果を出す力〟自体も、確実に鍛えられている」と、大谷の人間性が、そういった名場面を作る要素になっていると指摘する。

 その大谷の次なるステップは何か。同電子版はドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長の言葉を借り「本人に聞けば、あと8回ワールドシリーズを制する、という答えが返ってくるだろう」と締めくくった。来年はWBCに加え、投手として完全復帰した大谷が見られる年でもあるため、名場面という意味では困らないだろう。

 また、大谷の他に女子プロバスケットボールリーグWNBAで4度目のMVPに輝いたエーシズのエイジャ・ウィルソン、ツール・ド・フランスで4度目の総合優勝を果たした27歳のスロベニア人自転車ロードレーサー、タデイ・ポガチャル、陸上女子400メートルおよび400メートル障害で2年間無敗を誇り、世界陸連の最優秀女子選手に選ばれたシドニー・マクラフリン=レブロンなどを挙げ「スーパーヒューマンたちが大活躍した年」と伝えた。