ソフトバンクの川瀬晃内野手(28)が、あえて指揮官の「NGワード」を口にした。
今季は持ち味のユーティリティー性が存分に発揮され、102試合に出場。リーグ連覇と日本一に貢献。チームが最下位に沈んでいた5月2日のロッテ戦(みずほペイペイ)で放った逆転サヨナラ打、CSファイナル第6戦での決勝打など危機を救う場面も多く、まさに陰の立役者だった。
今オフのテーマはレギュラー取りへ向けた長打力アップ。定位置争いに燃える一方で、川瀬の胸中には小久保裕紀監督(54)の「教え」とは一見異なる思いもあるという。鷹指揮官が就任直後、ナインに伝えたのは「自分の城を築け」というメッセージだ。チームの勝利を考えるのは首脳陣と主力であり、若い選手には「『優勝するために』みたいな言葉は使わず、まずは自分の位置を確立するために野球をやれと言われた」(川瀬)といい、今年の新人選手にも同じ言葉が贈られた。
本来ならば、今のホークスでは安易に「チームのために」とは口にできない。だが川瀬は「もちろん来年レギュラーを目指してやるんですけど…」と前置きした上で、覚悟を込めてこう続けた。
「僕はリーグ3連覇、日本一を目指す中でチームのために野球をやりたいと思っている。そのためにレギュラーを目指すし、外れた時には違うポジションでやる。本当に優勝したい。最高の景色を見るために僕ができることを全力でやりたい」
その思いの根底には、苦しんだ今季序盤戦の経験がある。「前半チームとしてしんどい思いをして、チームが勝たないと意味がないと思った。チームのためにどんな立場に置かれたとしてもやろうという気持ちになった」
来季でプロ11年目を迎える。「(入団時は)自分のことで精一杯だった。それでも一軍の舞台でたくさんの経験をさせてもらって、今季1年間一軍にいたから感じたこと」。プロとして積み重ねてきた年月が、川瀬に「NGワード」をあえて口にさせたのだ。
レギュラー争いの結果にかかわらず、鷹の背番号0は来季もプロフェッショナルとしての振る舞いを貫き、チームの力となり続ける。












