2026年3月に開催される第6回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での連覇へ向け、侍ジャパンでは選手だけでなく首脳陣も〝国際大会仕様〟へのアップデートを進めている。
11月に東京ドームで行われた韓国との強化試合2連戦では能見篤史投手コーチ(46)と吉見一起投手コーチ(41)が、それぞれ1試合ずつ「ベンチ担当」と「ブルペン担当」を入れ替えて務めた。これまでは吉見コーチがベンチ、能見コーチがブルペンと固定されていたが、あえて役割をスイッチしたのはWBC本番を見据えた布石だ。
決勝ラウンドの舞台となる米フロリダ州マイアミのローンデポ・パークではブルペンが外野後方に位置し、ベンチとの連絡は専用電話が主な手段となる。東京ドームのように〝伝言ひとつ〟で済む距離感ではなく、国際大会ならではの環境に合わせた対応力が求められる。
侍ジャパンOBはこう話す。「東京ドームのように通路でサッと伝えられる距離ではなくなる。『投手を管理する』役割は同じでも、試合中のベンチとブルペンでは求められる判断や空気感が違う。それぞれの持ち場を経験しておけば、自分の担当に戻った時にも必ず生きてくるはず」。
WBCは短期決戦であり、1次ラウンドから決勝まで各ステージで登板間隔や球数に細かな制限がある。投手交代の「妙」はレギュラーシーズン以上に勝敗を左右する要素となる。戦況が激しく動く中、ベンチでは井端監督と綿密な投手起用のやりとりが必要となり、ブルペンではその指示を受け、救援陣をあらゆる場面に備える形でスタンバイさせておかなければならない。
今回の役割変更は、両投手コーチの連携強化を目的とした〝実戦的トライ〟。国際舞台での采配精度を高めるための準備は、すでに静かに始まっている。今回の取り組みが、来春の大舞台へ向けた重要なプロローグとなるだろう。












