F1レッドブルの角田裕毅(25)が、7日に行われた今季最終戦アブダビ・グランプリ(GP)で〝最後の見せ場〟をつくった。

 角田は正ドライバーとしては今季限りシートを失い、来季はテスト兼リザーブドライバーへの降格が発表された。そのため、今回のアブダビGPがひとまずF1の舞台では〝ラストラン〟となる。

レース前、レッドブルのスタッフらと記念撮影を行った角田裕毅(ロイター)
レース前、レッドブルのスタッフらと記念撮影を行った角田裕毅(ロイター)

 なんとか爪あとを残したい角田だが、6日のフリー走行3回目(FP3)でメルセデスのキミ・アントネッリにピットレーンで追突されるアクシデントに見舞われる。マシンは大きなダメージを負ったことから、旧型仕様で最後の舞台に臨むことになってしまった。

 ただ、それでも角田が最後に大きな見せ場をつくった。決勝では10番手からしっかりとスタートを決めると、安定した走りで周回を重ねる。多くのマシンがミディアムタイヤを選んで1回目のピットインを行う中で、ハードタイヤの角田はそのまま周回を重ねて見た目上の順位を上げていく。すると、ドライバーズタイトルで首位を行くランド・ノリス(マクラーレン)がピットインを済ませた後に急追。レッドブルとしてはノリスを少しでも抑えたいところで、角田はブロックが求められる場面。「任せろ」とチーム無線で意気込んで追ってくるノリスと相対した。

 ただ、マシン性能に差があることからスピードの違いは歴然。それでも角田は進路をなんとか塞ごうと、マシンを左右に動かして必死の抵抗を試みる。しかし、ノリスはイン側からコースアウト一歩手前となる反則ギリギリのラインで急襲。大きくタイヤの火花を散らせながら、一気に角田を抜き去っていった。

 すると、この場面で角田、ノリス双方が審議対象に。もしノリスがペナルティーを受ければ、タイトル争いの行方を大きく左右するとあって、全世界が固唾を飲んで見守ったが、裁定の結果は角田が左右に動いて2回進路を変更してブロックしようとした運転が「危険な走行」として5秒のペナルティーが科される。一方、ノリスはコース外での追い抜きが違反になる可能性もあったが、角田の動きを回避するためでお咎めなしとなった。

 この裁定をチームから無線で聞いた角田は「ペナルティー? 何のペナルティーなんだよ!?」と不満をあらわに。裁定内容としては仕方ない面もあるが、それだけ角田はノリスのブロックに全精力を傾けたということだろう。

 角田にとっては無念の結果となったが〝ラストラン〟で強烈な存在感は見せた。