レッドソックス・吉田正尚外野手(32)を取り巻く状況が、不穏さを増してきた。米メディア「ファンサイデッド」が報じたところによると、球団が今オフに強打者補強へ動く中、吉田の9000万ドル契約が最大の足かせになっているというのだ。

 吉田は2023年にMLB挑戦を果たし、ボストンファンの間では「カルト的な人気を誇る」(同メディア)とも評されている。しかし、ここまでの実績はお世辞にも投資に見合っているとは言い難い。昨秋の右肩手術の影響で今季は開幕から故障者リスト(IL)入り。その後60日のILへ移行し、今季は結局わずか55試合の出場にとどまり打率2割6分6厘、4本塁打、26打点と精彩を欠いた。通算でも303試合でOPS.762と安定感を欠き、走塁・守備面でも評価は伸び悩んでいる。

 さらに〝厄介〟なのが28年までの総額9000万ドル(約137億円)という超大型契約だ。守備の汎用性が乏しい吉田は外野のレギュラー候補にも割って入れず、年俸から見てもフルタイムでのDH起用が既定路線。しかし来季のDH候補にはレッドソックスが今オフ獲得を狙っていると目されるシュワバー(フィリーズFA)、アロンソ(メッツFA)に加え、現有戦力にもカサスらが控えており、適任とされるビッグネームの候補者たちの名がズラリ。球団の補強戦略の上でも、吉田の存在は〝重荷〟になりつつある。

 前出の「ファンサイデッド」を含め複数の主要米メディアに掲載された「最悪契約リスト」にまで名前が挙がったことで、一時は移籍先としてフィリーズなどの具体名も取り沙汰されていたトレード説も暗礁に乗り上げそうな雲行きになってきた。実際問題として吉田の放出には巨額の年俸負担が避けられず、レッドソックスは過去に動いたものの成立しなかったという。

 とはいえ、吉田が健康であれば打線の「安定装置」となる潜在力は健在だ。26年に向け、アレックス・コーラ監督(50)がどのように起用方針を決めるのか注目されるところ。果たして吉田はボストンに残って復活を遂げるのか、それとも大型契約に押し潰され〝飼い殺し〟状態となってしまうのか。オフの動向から目が離せない。