目指す大舞台へ落ち込んでいる暇はない――。カーリング女子のSC軽井沢クラブは、9月に行われた2026年ミラノ・コルティナ五輪最終予選日本代表決定戦の決勝で、フォルティウスに惜しくも敗戦。夢舞台への道はいったん閉ざされた。それでも、30年にフランス・アルプス地方で開催される五輪へ向けて再始動。現在はカナダ遠征で鍛錬を積むチームのスキップ・上野美優(24)が単独インタビューに応じ、激戦を振り返った上で5年後の〝リベンジ〟を誓った。

2025年の激闘を振り返った
2025年の激闘を振り返った

 ロコ・ソラーレ(LS)も含め三つどもえとなった日本代表決定戦は、決勝でフォルティウスの覚悟を改めて肌で実感したという。若きチームにとって多くの学びを得る時間となった。

 上野 特にフォルティウスさんは4年前に(北京五輪の日本代表決定戦で)負けたので「今回こそ最後は勝ち切る」という思いを、試合をしながら感じたし、五輪への道が難しいことをより一層感じました。ただ、プレッシャーのかかる空間を経験できたことは間違いなく今後につながると思うし、きちんと勝ち切って五輪に道をつなげる、五輪でもっといいパフォーマンスをしたいという思いがより強くなりました。

 日本代表決定戦は三浦由唯菜(札幌国際大)が助っ人として参戦したが、現時点では3選手で活動。10月上旬からはカナダ遠征で海外のチームと対峙しながら経験を重ねている。

 上野 まずチームとして、個々の技術を高めていく必要があると思っています。戦術の部分でもっともっと幅を広げることができると感じているので、攻撃的な作戦など、もっと幅を増やしていきたいですね。個人としては日本代表決定戦を通じて、戦術の部分やアイスの読み方をつかみかけたと思っていて、それを手放したらおしまいなので、つかんだものをきちんと自分の中に落とし込んでいけるようにすることを意識してやっています。

個々の技術向上を目指している
個々の技術向上を目指している

 現在はLSの藤沢五月、フォルティウスの吉村紗也香ら、黄金世代と称される1991年度生まれの選手が所属するチームが日本をけん引。しかし、近年は北海道銀行なども力をつけており、勢力争いが激しさを増している。

 上野 北海道銀行さんだったりとか、海外でも同時期にジュニアで戦っていた選手がグランドスラムや世界選手権に出ている姿を見ると、私も負けじとグランドスラムや世界選手権、他の大会でもいいパフォーマンスをして、もっと強くなりたいという思いになります。やっぱりそういった選手がいるからこそ刺激を受けて、自分も頑張ろうと思えますね。

 小学4年でカーリングを始め、五輪を夢見て走り続けてきた上野美。日本代表決定戦で流した悔し涙は、明るい未来を映す鏡になるはずだ。

目指すは2030年だ
目指すは2030年だ

 ☆うえの・みゆ 2001年3月12日生まれ。長野県出身。小学4年でカーリングを始めると、ジュニア時代から国内外の大会で活躍。22年世界ジュニア選手権で日本勢初の世界一に輝いた。SC軽井沢クラブでは、24年日本選手権で初優勝に大きく貢献。プライベートはインドア派で、漫画やアニメ好きな一面もある。大学時代は日本文学科を専攻。「御伽草子」の短編物語「雨やどり」を卒業論文のテーマにした。サード・上野結生は妹。162センチ。