球団史上初のワールドシリーズ2連覇に輝いたドジャースの軌跡をまとめた本が間もなく発売される。

 米国最大規模の日刊紙「ロサンゼルスタイムズ」が、開幕戦の東京シリーズから史上最高のワールドシリーズ、LAを熱狂させた祝賀パレードまで完全網羅し、地元紙ならではの密着記事や、日本未公開の写真をふんだんに盛り込んだ公式独占本で、日本での翻訳出版権はサンマーク出版(東京・新宿区)が取得した。

「DODGERS’ JOURNEY」の表紙
「DODGERS’ JOURNEY」の表紙

 同社は昨年も『OHTANI’S JOURNEY』を日本で発売しており、今年の書名は〝続編〟を想起させる『DODGERS’JOURNEY 大谷翔平・山本由伸 みんなでつかんだ世界一』とした(原題は『DYNASTY(王朝)』)。

 大谷翔平が10奪三振&3本塁打という驚異的な活躍を見せた10月17日のナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦の秘話や、11月1日のWS第7戦で2日連続登板した山本由伸のエピソードも興味深いものだったが、一足早くゲラを見せてもらった記者が驚いたのは、延長18回、6時間39分の死闘となったWS第3戦(10月27日)の舞台裏だ。

 この試合、7回に大谷翔平が試合を振り出しに戻すソロ本塁打を放って以降、膠着状態となり、佐々木朗希も6番目の投手として登板。延長15回にクラインが登板すると、残りの救援投手は第2戦で105球を投げた山本由伸ただひとりだけという状態になっていた。背水の陣でクラインは4イニングで72球を投げて相手打線を封じ込んだ。

 同書によると、実はロバーツ監督は18回になったらクラインに代えて野手を登板させるとFOXの中継スタッフに語っていたという。ところがブルペンにいた山本由伸が中1日での登板を志願。ロバーツ監督からすればシリーズ全体を考えてここで山本に投げさせるわけにはいかなかったが、野手登板でも、山本でもない〝第3の道〟としてクライン続投の判断を下したという。

 試合は18回裏、フリーマンのサヨナラ弾で終止符が打たれた。だが、劇的な結末に至るまでには山本由伸やクラインの自己犠牲の精神があってこそだった。だからこそロバーツ監督の「今夜はまさに、ウィル・クラインの夜だった」という証言も味わい深いものとなる。

 発売は22日。年末年始に大谷らの活躍を思い起こしながらじっくり楽しむのがいいだろう。

延長15回から力投したクライン(ⒸGINA FERAZZI/ロサンゼルス・タイムズ)
延長15回から力投したクライン(ⒸGINA FERAZZI/ロサンゼルス・タイムズ)