ワールドシリーズ連覇を決めたドジャースの世界一パレードで山本由伸投手(27)が英語で放った「You know what? Losing isn’t an option(負けるという選択肢はない)」という力強いスピーチは、大きな話題となった。SNSでは過去の〝意訳騒動〟とも絡み「実は言っていなかった山本語録」が再び盛り上がるなど、今や「名言」として完全に独り歩きし始めている。

 そんな山本節に反応を示したのが、ドジャースの〝お祭り男〟として知られるキケ・ヘルナンデス内野手(34)だ。スペインメディア「マルカ」の英語版が掲載した発言内容で、キケはワールドシリーズ前の記者会見で山本が発した同フレーズについて「鳥肌が立った瞬間だった」と語り尽くした。

 そもそも「Losing isn’t an option」という言葉は、ブルワーズとのリーグ優勝決定シリーズ第2戦前日の10月13日(日本時間14日)の会見から生まれた経緯があることは周知の事実。この日の会見で山本が「何としても負けるわけにはいかない」と日本語で発言したものを、園田通訳が「意訳」して英語にした言葉だった。この言葉は「カッコいい」と反響を広げ、あっという間にチーム内でも合言葉となり、最終的にはワールドシリーズ優勝を経験した山本選手自身がパレード当日に〝初めて〟口にしたという経緯がある。

 それでもキケは〝経緯なんてどうでもいい〟と言わんばかりに「彼は記者会見で言ったんだ。『負けるなんて選択肢はない』ってね。あの時、俺は震えたよ。〝おいベイビー、もっと刺激的なことを言ってくれよ…〟って思わず言いたくなるくらいさ」とコメント。キケらしいユーモラスな表現に包みながらも、山本の強じんなメンタリティーを「勝者の発言そのもの」と称賛。3億2500万ドルの投入に見合う実力と精神力を兼ね備えているとし「彼はどこへ行っても勝つ男だ。WBCでも優勝したし、今も勝ち続けている」と最大級の賛辞も送った。このようにキケがドジャース専門メディア「ドジャース・ネーション」の動画サイトに出演した際、山本について赤裸々に語った様子を前出の「マルカ」は克明にクローズアップしている。

「マルカ」はデーブ・ロバーツ監督(53)が「シリーズ前に彼は『負けるなんて選択肢はない』と言った。そして試合でも、それを体現していた」と口にした発言も取り上げており、山本がポストシーズンで2試合連続完投勝利と歴史的偉業を達成した際、この言葉を指揮官自身も想起していたと説明している。

 一方で「マルカ」は同時にドジャースが抱える別の複雑な問題にも触れる。大谷翔平投手(31)の「WBC参加表明」だ。侍ジャパンと球団がともに大谷を必要とするスケジュール上のジレンマが続いていることからキケの発言も自然とこの議論に波及している。

「大谷も勝者だし、どこへ行っても期待される存在だ」とはキケの弁。だがドジャース側には負傷リスクへの懸念があり、果たして大谷が二刀流で侍ジャパンに合流できるのか否か、そして他の日本人メンバーの山本や佐々木朗希投手(24)のWBC出場可否も依然として不透明なままだ。

 いずれにせよ、スペイン語圏の陽気な「お祭り男」キケが語った本音は、ドジャースと侍ジャパンの双方に熱く響くものとなった。山本の一言もまた、チームの心を揺さぶり、MLBの国境をも越えて伝説になりつつあるようだ。