ドジャースが本来の姿を取り戻しつつあるようだ。10日(日本時間11日)の本拠地ロッキーズ戦で大谷翔平投手(31)が適時打を放つなど5試合連続安打をマークし、チームも9―0で快勝。この一戦で特筆すべきは打線以上に先発陣の復調ぶりだった。

 ここ数か月、不安定さを露呈していたローテーションが、同カードを含む直近5試合で驚異的な投球を披露し、まさに「地区Vへの加速」とも言うべき勢いを見せている。

 口火を切ったのは山本由伸投手(27)。6日(同7日)の敵地オリオールズ戦でノーヒットノーランに迫る快投を披露し、8回2/3を1安打1四球2失点、10奪三振で圧倒。惜しくも快挙を逃し、リードを保ってバトンを託したブルペン陣が次々と〝投壊〟したことで試合はまさかの敗戦となり、このままチームも悪いムードを引きずっていってしまうかと懸念された。だが、そんな山本の気迫あふれる投球が次戦以降、結果にも表れたようにチーム全体の士気を押し上げる格好となった。

 続く同カード最終戦となった7日(同8日)の先発マウンドに立ったベテランのクレイトン・カーショー投手(37)はオリオールズ打線を相手に5回2/3を83球、4安打2失点の快投で今季10勝目。そして8日(同9日)から本拠地に戻って行われたロッキーズとの3連戦では初戦で先発したタイラー・グラスノー投手(32)が、まず7回無安打11奪三振の快投を見せた。105球に達した球数の関係で交代となったが、3月以来の白星となる今季2勝目をマークし、復活を強烈に印象付けた。

 さらに9日(同10日)の同カード2戦目で先発した若手のエメ・シーハン投手(25)も7回1失点9奪三振と安定感を示し、ローテを支える力を証明した。

 そして締めくくったのが、この日の同カード3戦目で先発マウンドに立ったブレーク・スネル投手(32)だ。前回登板の4日(同5日)・パイレーツ戦での乱調から立ち直り、この日は6回無失点11奪三振とし、4勝目を飾った。

 米メディア「クラッチポイント」が報じたところによれば、ドジャースはローテ全体として過去5試合で49奪三振、被打率はわずか.091と驚異的な数値を残しているという。米データ会社「OptaSTATS」がまとめ上げた統計を基にしたところ「5戦通算で45奪三振以上かつ被打率1割未満」はメジャー史上初の快挙になったことも判明した。

 負傷者続出で不安視されてきたドジャース先発陣だが、ここにきて一斉に状態を上げており、ポストシーズンへ向けて最良のタイミングでギアを上げた格好だ。

 打線も好調を取り戻しつつある。この日も大谷が2回に5試合連続安打となる右翼への適時打を放ち「SHO―TIME」の存在感を発揮。大量9点を奪い、投打ががっちりかみ合った。ナ・リーグ地区2位・パドレスとの差を3ゲームに広げる勝利で、チームの雰囲気は一気に好転している。

 ドジャースはシーズン序盤からけが人に苦しみ、不安定な戦いが続いていた。しかしこの「歴史的5連投」で見せた潜在能力こそ、真のドジャースの姿。地区優勝争いは大詰めを迎えているが、投手陣の復活はそのまま10月のポストシーズンを戦い抜く大きな武器となりそうだ。

 大谷の投打にわたる〝二刀流力〟、そして復活した鉄壁ローテ。この二本柱がそろえば「西海岸の帝国」は再び10月の主役となるだろう。