セ・リーグ独走Vを果たした阪神が誇る最強リリーフ陣の中でも、〝無双投球〟で抜群の存在感を放ってきたのが石井大智投手(28)だった。
シーズン中盤には衝撃的なアクシデントに見舞われた。6月6日のオリックス戦(甲子園)で強烈なライナー性の打球が頭部を直撃した。
「生きててよかった。野球どうこうもありますけど、生きてないと野球はできないんで」。命に関わりかねない一大事だったが、石井は約1か月間の調整を経て一軍のマウンドに帰ってきた。防御率0・18と異次元の成績を残すとともに、48試合連続無失点とプロ野球記録を更新し続けている。その裏には、マウンドへ上がる意識改革もあったという。
「先発が頑張ってくれた、野手が打ってくれたという感情をマウンドに持っていくことはない」
プロ1年目から感情を持ち込まないスタイルで臨んでいたわけではなかった。大きな転機となったのは2023年4月12日の巨人戦(東京ドーム)。7回まで完全投球を続けていた村上頌樹投手(27)の後から救援に入ったが、岡本に同点弾を浴びてプロ初白星を消した。
「先発が頑張ってくれたとか、そういう気持ちでマウンドに上がると、自分の100%できていたことができなくなる確率が高い」
悔しい経験が石井の思考を変え、戦況などに左右されず自分のベストを尽くすことに重きを置いている。もはや向かうところ敵なし状態だが「満足していないというか、のびしろしかないです」と言い切った右腕。飽くなき向上心が、ブルペンの屋台骨を極太にしていく。












