パ首位のソフトバンクは29日から敵地でロッテとの3連戦(ZOZOマリン)に臨む。重要なカード初戦の先発は、今季ここまで9勝(6敗)をマークしている上沢直之投手(31)。日本ハム時代の2021年以来となる2ケタ勝利に王手をかけている右腕は、シ烈な優勝争いの中で幸福感を抱きながらマウンドに上がる。
本人が「今年一番」と認めた前回20日の西武戦(みずほペイペイ)から中8日で迎えるロッテ戦。登板を翌日に控えた28日、実力者の言葉は頼もしかった。「一時期に比べたら状態は上がってきている。あとはしっかり結果を。状態が上がってきても結果がすべてなんで、結果を求めてやりたい」。昨オフ日本球界復帰を決断し、ホークス移籍1年目。先発強化の目玉として加わった新戦力にあって、球団の期待に結果で示す「10勝」の価値は極めて大きい。
今季ホークスは開幕から本拠地ゲームになかなか勝てなかった。みずほペイペイドームで5連敗を喫して迎えた6戦目、その負の連鎖を断ち切ったのが上沢だった。6月には今季チーム初完投で白星を挙げた。チーム状態が上向かず、苦しい時期に機微のあるパフォーマンスで存在感を発揮。上沢がいなければ、今の立ち位置でペナントレースを戦えていなかったはずだ。
NPB通算79勝を誇る右腕にとってはノルマとも言える10勝。29日のロッテ戦でクリアすれば、今季チームでは有原、モイネロ、大関に続く4人目の到達者となる。「10勝カルテット」誕生となれば、球団では05年の斉藤、和田、杉内、新垣以来だ。大事なシーズン終盤に向けて小久保監督は「(有原、モイネロ、大関の)3本が柱で、そこに上沢も入ってきてほしい」と大きな期待をかける。
日本ハムとの激しい優勝争いに突入し、負けられない戦いが続くが、経験豊富な31歳は「こういうシーズン後半を送れることは、すごく幸せなこと。こういう緊張感でやるのがプロ野球選手にとってはすごくいいこと」と気概に満ちている。終盤戦でパフォーマンスを発揮するのが真の実力者。10勝は通過点で、真骨頂はその先にあるはずだ。












