プロ3年目で待望の一軍デビューを果たしたソフトバンクのイヒネ・イツア内野手(20)。2022年ドラフト1位入団の逸材は「物足りなさしか感じない」と自らに厳しい言葉を投げかける。その裏には、成長を求め続ける葛藤と覚悟があった。さらに福岡で見つけた意外な〝楽しみ〟まで――その素顔に迫った。
──今季ここまでの手応えは
イヒネ 全部まだ物足りないという感じです。打撃も守備も走塁も、どれも納得できるレベルじゃない。成長したと思える部分も特にないですし。現状は「頑張らないといけんな」って気持ちしかないですね。
──3年目にして5月27日にはプロ初の一軍昇格を経験
イヒネ やっぱり初めてだったので、ドキドキしました。一軍の空気感というか、全部が刺激でした。レベルが違うし、準備の段階からみんな意識が高い。細かい部分まで考えて練習している。自分がまだまだだなって感じたし、逆にやるべきことが明確になった気がする。
──現在、意識して取り組んでいる打撃面
イヒネ 二軍にいる時に近藤(健介)さんから「投手が投げて捕手のミットにボールが入るまでをイメージしてスイングするといい」って教えてもらったことがあって、それをずっと意識している。バットの軌道とボールの軌道を合わせる、ラインを合わせるという考え方なんだけど、それが自分の中ではしっくりきてて、今もファームで続けてます。
──高校時代はケン・グリフィーJr.やイチロー、丸らの打撃フォームのモノマネが得意だったが、今は
イヒネ 今はあんまりやってないです。高校の時は不振の時にフォームを全部変えて試すってことをやってたけど、最近はそこまでしない。ただ、ちょっとイメージをもらうことはあります。全部をマネるんじゃなくて参考にする程度ですね。
──現在の目指す選手像
イヒネ 一軍に出るようになりたい。誰かになりたいとかはない。
──守備面での課題
イヒネ 送球ですね。ボールが抜けることが多いので、そこを直そうとしています。技術の問題なので、練習の取り組み方もプロに入った当初よりは考えるようになったと思う。
──周囲の若手選手の台頭も刺激に
イヒネ もちろん刺激になる。ただ、正直言うと、そこまで周りを見る余裕がない。自分のことで精一杯。自分に集中するだけですね。
──ドラフト1位としてのプレッシャー
イヒネ 周りから見られる立場ってのは意識してるけど、気にしてる余裕はないですね。自分がどうやって上に行くかだけ。
──オフの過ごし方やこだわり
イヒネ オフは出掛けないことが多いですね。物欲もないし、基本的にゆっくりしてます。必需品はオーダーで作ったマクラ。高さと硬さが自分に合ってるので、遠征先にも必ず持って行く。
──福岡でお気に入りの場所
イヒネ 寮(筑後市内)の近くにある「パビタラ」というインドカレー屋さんですね。そこの「あんこナン」が大好きで、カレーよりそれを目当てに行っている。とてもおいしくて週1くらいで買いに行く。自分にとっては福岡名物みたいな存在(笑い)。
──落ち込んだ時に支えになる存在
イヒネ 特にないです。家族にもあまり連絡しないし、自分でなんとなく切り替えてる感じ。自然とそうなってるだけなんですけど。
──将来の目標を
イヒネ とにかく一軍で活躍すること。それしかない。これからも高いところでやっている自分を想像して、そこを目指してやっていくだけです。(インタビュー・霞上誠次)
☆いひね・いつあ 2004年9月2日生まれ。愛知県豊橋市出身。右投左打ち、内野手。身長184センチ、体重83キロ。愛知・誉高では1年秋からベンチ入りし、高校通算18本塁打も甲子園出場なし。ナイジェリア人の両親から受け継いだ並外れた身体能力を持ち、22年ドラフト1位でソフトバンクに入団。3年目の今季は5月30日の楽天戦(楽天モバイル)に代走でプロ初出場。ウエスタン・リーグで74試合に出場し、打率2割3分6厘、58安打、3本塁打、29打点、17盗塁、(2025年8月9日現在)。












