パ・リーグ5位に低迷する西武が、悲願の優勝を狙う日本ハムに総合力の差を見せつけられた。5日の同戦(エスコン)に1―6と完敗。下位打線から5安打を集中して昨年の新人王・武内を攻略し、万波の2ランスクイズで一挙5点を奪った日本ハムの3回の攻撃は圧巻だった。
選手とベンチの一体感、そして新助っ人三塁手・デービスの緩慢守備のスキを見逃さず畳みかけた〝非情〟な新庄監督のベンチワークは、かつての常勝軍団・西武が目指す野球そのものだった。
交流戦後、西武は同一リーグ相手に10カード連続勝ち越しがない。この日の日本ハム戦まで7勝20敗2分けと借金だけが膨らんでいる。
優勝を狙う日本ハム、ソフトバンクの2強とは、もはや選手層を含めた総合力で大きな差があると言わざるを得ない。当然、両チームにとって西武戦は「優勝するために絶対に取りこぼせない相手」となっている。
西武にとって問題は来季以降、このパ2強にどういう道筋で追いつき勝っていくのか。そのロードマップを球団が描けているのかどうかだろう。
昨年、シーズン91敗からの再建を誓った西武は、渡辺久信前GM兼監督代行がその責任を取って球団を去った。フロントは新たに西口監督を二軍から昇格させ鳥越ヘッド、仁志野手チーフ、大引内野守備・走塁担当らのコーチを外部招へいしチームの底上げ、土台づくりを託している。
一方で、球団は「当然優勝は目指していきますけども、優勝がマストではない。しっかりとしたチームの強さは積み上げが必要。いかに成長していけるかに主眼を置いていきたい」(飯田光男常務取締)と緩やかな目標設定を強調していた。
最下位からの再建とはいえ、食うか食われるかの勝負の世界でフロントが〝Aクラスでいい〟と言ってしまうことの弊害は、それが現場の士気を下げてしまうことだ。孫オーナーが本気で「V10」を目指しているソフトバンク、そして打倒・ホークスを掲げ昨年の雪辱を誓う日本ハムとは組織としての総合力、気構えでスタートから後手を踏んでいる。
本気で優勝を目指して初めて優勝争いに食い込める勝負の世界で、「Aクラス」を目指した〝甘ちゃん体質〟が現状の息切れに現れているようだ。












