阪神・佐藤輝明内野手が1日のヤクルト戦(神宮)の延長10回に決勝の適時二塁打をマーク。チームを3―2の勝利に導いたことで、前夜に消滅したばかりの優勝マジックも「36」と数字を3つ減らした形で、一夜にして再点灯した。

 2―2の同点で迎えた10回の攻撃は1番・近本から始まる好打順。近本の左前打→中野の犠打などで二死二塁の好機が整えられると、いよいよ虎打線の主役・佐藤輝がステージへ。〝神宮劇場〟左翼席に集まった東の虎党たちもカタルシスの瞬間を強く予感。ボルテージと声量は、最高潮に達した。

 カウント1―2からの4球目。相手右腕・大西が投じたのは外角低めへ沈んでいく変化球だった。これにバットを伸ばしながら強引にインパクトした千両役者の打球は、上空の湿った空気を強烈な勢いで切り裂きながら右方向へ。やや前めに守備位置を敷いていた右翼手の頭上を越える値千金の決勝打となった。

 試合後、ヒーローインタビューに臨んだ背番号8は「サイコーです!」と喜びを爆発。「チカさん(近本)が出た瞬間に、チャンスで(打席が)回ってくると思っていた。僕らはいつも通りを心がけているので」と語り、大喝采を浴びた。

 26本塁打、67打点でセ・打撃主要2冠を独占する佐藤輝だが、この日の一打でシーズン二塁打数は「24」。DeNA・牧に並ぶトップタイの数字だ。三塁打数「4」も中日・岡林に1本差とするリーグ2位。規格外の怪力に加え、俊足も武器とする虎の看板打者は、筋金入りの長距離打者として、あらゆるスタッツで球界トップクラスの数字をマークしている。

 総合的な打撃貢献を示す指標「OPS」も.939で同トップ。2位・牧の.800に大差をつける圧倒的な数字だ。名実ともに「セ界最強打者」となった佐藤輝は「このまま最後まで突っ走りたい」と語り、2年ぶりとなる覇権奪回へ向け強い意欲を示した。