虎のキングが投手にまで好影響だ。阪神・佐藤輝明内野手(26)は28日までに91試合に出場し、26本塁打、65打点で打撃2冠。打率もリーグ4位の2割8分7厘と首位の小園(広島)に5厘差で、令和2人目となる3冠王の誕生も現実味を帯びている。

 さらに昨季はリーグワーストの23失策と苦戦した守備でも、堅実かつ華麗なプレーを披露。今季は2失策と攻守で存在感を放っている。

 そんな虎の主砲は、若手投手への声かけでもチームを支えていた。例えば、前半戦最終戦となった21日の巨人戦(東京ドーム)。試合中盤に追いつかれ、5―5の同点で迎えた8回からドラフト1位ルーキー・伊原陵人投手(24)が登板し、イニングをまたいだ9回のマウンドにも上がった。

 1点でも与えれば勝負が決まってしまいかねない、プレッシャーがかかる登板。伊原は二死一、二塁から佐々木に粘りに粘られ、11球目がボールとなって四球で満塁の大ピンチを招いた。ここで内野陣がマウンドに集まったが、最後までそばを離れず声をかけ続けたのが主砲だった。

「『頑張ろうな。もうランナーかえったらしょうがないから。お前のせいじゃないし、思い切っていこうぜ』って感じで声をかけられました」(伊原)。佐藤輝と伊原はポジションこそ異なるものの、伝統ある人気球団・阪神のドラ1だ。同じ境遇で誰よりもその重圧を知っているだけに〝親心〟をのぞかせたのかもしれない。

 チームはその後に敗れたが、佐藤輝やナインは「別に気にするな。そういう日もあるから、また切り替えてやってこう」と鼓舞。ルーキー左腕も「ありがたいですし、こういう経験を今後も生かしていって。一生懸命チームが勝てるように、優勝できるように頑張ります」と力強く話していた。

 2位・巨人に10ゲーム差をつける阪神は、早ければ29日にも優勝マジックが点灯する。頼れる主砲の声かけが、再び頂点へ導く推進力になりそうだ。