自民党総裁の石破茂首相の辞任が不可避の流れとなってきた。次の総裁は誰がなっても政権運営どころか首相指名選挙で選出されるかどうかも見通せない情勢だ。だからこそ国民民主党の玉木雄一郎代表への首相〝押し付け〟プランもささやかれている。
昨年の衆院選に続き、参院選でも与党過半数割れの結果に党内では退陣を求める石破おろしが始まっていたが、23日にトランプ政権との関税交渉合意が発表されるサプライズがあった。関税率25%から15%への引き下げに石破首相は「日米ともに利益を得られる合意」とドヤ顔を決めたが、同時に関税交渉が首相続投の最大の理由だっただけに読売新聞や毎日新聞は石破首相が退陣する意向を固めたと報じた。
ところが、この日、麻生太郎最高顧問、菅義偉副総裁、岸田文雄前首相の歴代首相と会談の場を持った石破首相は「党分裂はあってはならないという話だった」と出処進退の話は出なかったとして、辞任を否定した。自民党関係者は「石破首相は続けたいとしても退陣意向の報道が出てしまい、外堀から埋められ始め、もう止まらない。総裁選が事実上、スタートしました」と指摘する。
早速、前回の総裁選に出馬した小泉進次郎農水相や高市早苗前経済安保相、小林鷹之元経済安保相、林芳正官房長官らの名前が飛び交っているが、そもそも新総裁が選ばれても首相指名選挙で選ばれる確証はない。野党が立憲民主党の野田佳彦代表でまとまれば、政権交代になるだけに連立の枠組み拡大や野党からの協力を得る下交渉も本格化させないといけなくなる。
参院選前から浮上していた立憲との〝大連立構想〟は野田氏が否定したことで頓挫しそうで、日本維新の会と国民民主党との折衝が予想される。維新創設者の橋下徹氏はカンテレの番組で維新が連立入りし、吉村洋文氏は総務相と大阪府知事を兼職する自公維連立政権プランを提言した。また、国民民主党は昨年から連立入りが取りざたされてきたが、玉木氏はこの日、「今はしっかり自民党内政局を見定めたい」と複雑な胸中を明かした。
そこで自民党内でささやかれているのが、玉木首相という仰天プランだ。「玉木氏に首相の座を約束すれば、連立に乗ってくる可能性は高い。一回、好きなようにやらせてみて、いかに政権運営が難しいのかが分かれば、やはり任せられるのは自民党となる。玉木氏が失敗すれば、国民民主にも失望し、かつての民主党のように党勢失速の思惑もあるでしょう」(前出の自民党関係者)
ただ、いずれも大仕掛けとなり、今の自民党にそこまでの力はないとの見方も。
「国民民主や参政党などが票を伸ばしているのはとにかく今の閉塞感を打破してもらいたいから。自民党が党内政局や政権延命策に明け暮れれば、野党からの協力を得られずに支持を失い、それこそ比較第一党からも転落する日を迎えますよ」(野党関係者)
石破首相は難局を見越して、党内の批判には耳を貸さずに居座り続ける可能性もあり、当面の政局は混迷を極めそうだ。












