【取材の裏側・現場ノート】新日本プロレスのタイガーマスクが来年7月で現役を引退する。現在のタイガーは1995年7月に4代目としてデビュー。ラストイヤーを完走すれば活動期間は実に31年にも及ぶ。初代の佐山聡が2年4か月(81年4月~83年8月)、2代目の三沢光晴が5年9か月(84年8月~90年5月)、3代目の金本浩二が1年10か月(92年3月~94年1月)なので、4代目は圧倒的に長い。
ついにリングを下りる決断をしたタイガーは取材に対し、責任と重圧を背負い続けた30年間をひょうひょうと振り返った。「感覚がよく分からないんだよね。みんなが朝起きて着替えて会社行くのと同じで、俺も朝起きて道場に行って試合に行って、タイガーマスクをやる。佐山さんが昔『タイガーマスクのマスクはただの布切れです』と言ったことがあるんだけど、それはまったく変な意味じゃなくて。自分の中でも当たり前のことだったから」。
とはいえ、常に〝ヒーロー〟としてあり続けるには、葛藤や苦悩もあった。2020年4月には大腸に穴が開く「大腸憩室炎穿孔(けいしつえんせんこう)」を患い、手術の際に腹筋を切ったため「下っ腹に力が入らないから太って見える感じになっちゃってた」。理想とする姿に最後まで戻れなかったことが、引退の最大の理由となった。
タイガーマスクは現在7代目まで存在するが、レスラーとして活動しているのは4代目まで。タイガーは自身の〝後継者〟について「僕は実際にやってきて(次の虎戦士は)ものすごく大変だと思う。レスラーとしてやっていくには、プレッシャーと責任感を背負える人じゃないとできない。後の人がやるやらないは自由だし、佐山さんが認める人だったらいいんじゃないかなと思いますね」と語ったが、登場しない可能性も十分にあるだろう。
原作アニメを知らない世代が増えてきているなか、30年間もタイガーマスクとして戦い続けてきた4代目の功績は大きく、最後の日まで誇り高く戦い続ける姿を、これからも取材していきたい。(運動部・岡本佑介)












