新日本プロレスの棚橋弘至(48)が29日、プロデュース興行「TANAHASHI JAM」(愛知県体育館)を開催。ダブルヘッダーで勝利を収め、千両役者ぶりを発揮した。来年1月4日東京ドームでの引退試合が刻一刻と近づく棚橋だが、ここに来て〝現役最後の夢〟実現の可能性が急浮上した。テレビ朝日系列の全国ネット放送が決定した同大会が、実に約24年ぶりとなるプライム帯での放送が有力となったことが分かった。
棚橋はこの日の第1試合で海野翔太&田口隆祐とのトリオで藤波辰爾&高橋ヒロム&LEONAと対戦。ダブルヘッダーでメインにも出場するとノアの丸藤正道とタッグを結成し、清宮海斗&大岩陵平と激突した。2試合とも自身がフォール勝ちを収めた。
試合後は「棚橋引退まで、残り200日を切ってしまいました。一日一日を大事に、そして来年1月4日東京ドームまで全力で走り切るので、皆さん見届けてください!」とファンにメッセージ。華やかな引退ロードを歩む棚橋だが、ここに来てラストマッチに追い風も吹いている。
柔道男子100キロ級で2021年東京五輪金メダルのウルフ・アロン(29)が23日に入団を発表。来年1・4ドームでのデビューが決まると、話題が揃ってきた同大会をテレビ朝日が22年ぶりに全国ネット放送することを発表した。棚橋は取材に対し「僕の引退もあるんですけど、ウルフのデビュー戦だったり、コロナ禍の影響で本来ならもっと歓声を浴びてもよかった、今のトップ選手たちが世に出るチャンスですので。新日本プロレスにとってターニングポイントになるんじゃないかなと。プロレス人気がもう1回跳ねる、大事な日だと思います」と位置づけた。
全身全霊のファイトと献身的なファンサービスで、暗黒時代と言われた00年代の新日本を立て直した棚橋だが、25年間のキャリアの中でかなえることができなかったのがテレビの放送枠および放送時間の改善だ。今年1月には現役最後の夢として「地上波ゴールデンタイム放送」を掲げ「何かプロレス界のために、でっかい置き土産していきたいなと思うんです」と、引退試合での実現に意欲を見せていた。
これは棚橋だけの悲願ではない。この日の大会に出場した高橋ヒロムは「全国ネット深夜2時から放送ですとかだとなえるからね? 俺はもうゴールデンタイムでやる気でいるからね? テレビ朝日さん、本当にいい時間帯期待してるんで」とかなり突っ込んだコメントを残している。
では実際に来年1・4ドームは何時に放送されるのか。関係者の話を総合すると、現段階では「22時台」に放送されることが有力で、詳細の発表は秋以降になるという。棚橋の掲げる「ゴールデンタイム」はかなわなくとも、いわゆる「プライム帯(19~23時)」でプロレスが地上波放送されることは、業界全体にとっても朗報と言って間違いない。仮に実現すれば、新日本最後のゴールデンタイム放送となった02年5月2日東京ドーム大会以来、実に約24年ぶりとなる。
「プロレスにもっと興味を持ってほしいんです。僕はプロレスを好きになって生きているのが楽しくなった。エネルギーをもらったので。今のプロレスも、見てもらえれば絶対に好きになってもらえると思うし」。現役最後の試合で、棚橋がプロレスと世間の懸け橋となる。












