「デス・ペイン・インビタショナル」(24日、後楽園)で、IWGPジュニアヘビー級王者のエル・デスペラードが葛西純(50)の挑戦を退け、6回目の防衛に成功した。

 数々の激闘を繰り広げ、互いにリスペクトを公言している両雄の〝ラストシングルマッチ〟は、ジュニア最強のあかしをかけた王座戦として行われた。ルールは「蛍光灯&ガラスボード+αデスマッチ」が採用され、葛西はバラを添えた蛍光灯ボード、デスペラードは有刺鉄線ボードを持参して入場。蛍光灯とガラスボードが設置されたリング上で対峙した。

 試合が始まると無数の凶器が飛び交い、デスペラードも葛西も早々に大流血。互いに一歩も譲らない意地と意地の張り合いが続き、リングの上には蛍光灯とガラスの破片が散らばる壮絶な死闘へと突入していく。

 15分過ぎ、デスペラードはコーナー上からガラスボードへのダブルアーム式カナディアンデストロイヤーを浴び、大ダメージを負う。それでも特大ラダー上の攻防を制すると、葛西の頭に竹串を突き刺し、場外に設置されていた蛍光灯ボードに落下させる荒業で反撃に転じた。

 ピンチェ・ロコの連発を防がれたデスペラードは、おきて破りのピンチェ・ロコを浴びて再び劣勢に。リバースタイガードライバー、特大ラダーからのパールハーバースプラッシュ・オン・蛍光灯まで決められたが、王者の意地で3カウントだけは許さない。

 ヘッドバット合戦からのクロスアーム式スティミュレイションもカウント2で返すと、蛍光灯上への追撃は切り返してデュードバスターで反撃に転じる。互いに自らの頭で蛍光灯をたたき割り続ける狂気の光景から、打撃戦を制してピンチェ・ロコを発射。これもキックアウトする驚異の粘りを見せた葛西を、垂直落下式リバースタイガードライバーからのピンチェ・ロコで振り切り、死闘に終止符を打った。

 リング上でマイクを握ったデスペラードは「葛西さん、これが〝死んでもいい覚悟〟を捨てて、強くなったエル・デスペラードです」と感極まりながら感謝の言葉を口にした。これは前回の一騎打ち(2022年9月、代々木)の試合後に葛西から授かった「死んでもいい覚悟なんて捨ててしまえ。死んでもいい覚悟なんていらねえんだよ! そうすればお前はもっと強くなる」という言葉へのアンサーだった。

 敗れた葛西も万感の思いでマイクを握る。「年齢もキャリアもお前の方がずいぶん下だけどよ、俺っちはお前みたいな強くて男気のある男になりたいと思って、50手前になっても今日よりも明日強くなりたいと思って、お前と出会えたから、今日ここまで来れました。お前にはよ、いい意味で人生狂わされちまったよ」と感謝した。

 今回がラストマッチと銘打たれていたはずだったが「最初で最後の俺っちのワガママ聞いてもらっていいか? 葛西純の全盛期は10年後だ。お前の10年後、今日よりももっとお前も強くなってるだろ? 『デス・ペイン・インビ2』2035年大会の招待状だ! それまでシングルは封印だ。受け取れ」と、特別すぎる相手との10年後の再戦を呼びかけた。

 葛西の提案に会場が熱狂するとデスペラードは「おかしいな。防衛したのは俺なのに、すごく負けた気がします。10年後、もう1回シングルマッチやりましょう」と約束。最後は「10年後、またお会いしましょう」と観客に呼びかけ、死と痛みの祭典は幕を閉じた。