広島は22日の楽天戦(マツダ)を5―2で振り切り、交流戦を9勝9敗で終えた。
勝利の立役者は2点を追う4回二死満塁で、走者一掃の逆転適時二塁打を放った中村奨成外野手(26)だった。相手先発・藤井の初球を捉え「(自分に打席が)回ってこいと思いながら待っていました」とニッコリ。新井監督も「格好よかったですね! 奨成」とたたえた。
中村奨は春季キャンプこそ一軍だったが、3月に二軍再調整を命じられた。ただ、これが大きな転機となった。4月2日に再昇格するまで福地二軍ヘッド兼打撃コーチと二人三脚で取り組んだ打撃改造が奏功した。
福地コーチから「思い切ってやらないか?」と打撃フォームの変更を提案され、投手側に倒していたバットのヘッドを三塁側に寝かせ、左脚をスクエアからオープンスタンスに変えた。
もちろん意図があっての大幅変更で、福地コーチは「バットを寝かせたのは(バットの)ヘッドが内側に入り、そこから打ちにいくことで0コンマ何秒の違いで差し込まれていた。ヘッドの動く幅にすると20センチ。それを解消させるため。脚はオープンに構えることで、スイングした際に自分の体の前によりバットが通るスペースができるように」と説明する。
これで打球は劇的に変化したが、〝生みの苦しみ〟もあった。最初の1週間は、練習でもほとんどがバットの先に当たってポップフライ…。中村奨は当時を「もう我慢の2週間。打感は物足りないし、自分でもモヤモヤしながら」と振り返る。
トンネルから抜け出したのは3月23日の二軍でのオリックス戦。「今まで以上に振り抜けました。自分が思っていたポイントよりはるかに前で、思ってもいないところに飛んだ」。代打で放った右前打からかつてない好感触を得た。
2017年のドラフト1位もプロ8年目。交流戦後半は先輩の外野手・大盛の台頭もあって代走や代打など途中出場が中心で「6月は全然打てていなくて悔しい気持ちがあった」と明かす。背水の陣の中村奨に福地コーチは「不器用な人間ほど、つかんだら離さない」との言葉を送る。一時は手にしたスタメンの座をもう一度奪いにいく。












