あと2人で快挙達成だった。日本ハムの北山亘基投手(26)が19日の巨人戦(東京ドーム)でノーヒットノーランの偉業を逃した。9回一死から大城卓にソロ本塁打を浴びて唇をかんだものの、それでも9回122球、1安打1失点の完投で今季5勝目。プロ4年目を迎え、大躍進する〝北の本格派右腕〟の素顔に迫った。

 敵地のマウンドに立った北山は、初回から150キロ強の直球と多彩な変化球を駆使して巨人打線を圧倒。6回まで1人の走者も許さない完璧な投球を披露した。7回二死から泉口に四球を許して完全試合が消滅したが、その後も無安打無得点は継続。チームとしては2022年に助っ人右腕ポンセが記録して以来となるノーヒットノーランの快挙達成かと思われたが「あと2人」のところで、まさかの被弾となり夢ははかなく消え去った。

 試合後の北山は「一番はまずチームが勝ったんで。そこは先発としての役割を果たせたとは思うので」と淡々。それでも快挙を逃したことには「7回ぐらいから歓声がすごい独特な雰囲気になってきましたし。自分では5回ぐらいから(走者を許していないことに)気づいてはいたんですけど…。(9回一死からの大城卓には)追い込んで高めに(球が)1球抜けて。今日は悔しくて眠れないですね」。

 この日の快投は無論、〝まぐれ〟ではない。ここまで今季2完投していたように、北山はすでに球界を代表する投手に変ぼうしつつある。その成長を支えているのが徹底した自己管理だ。「教授」という愛称が示す通り、日頃から妥協を許さない性格の持ち主で体が常に一番いい状態でいることに意識を置く。その一つが「睡眠」で、今季は睡眠計などを積極的に活用。就寝時の心拍数などを計測した上で自身のパフォーマンスを最大限に発揮できるよう最善を尽くしている。「運動量だったり、最近の心拍変動とかから必要な睡眠時間が出されるので。それを参考にしています。7時間、8時間で良い時もあれば、10時間ぐらい寝てください、という時もあるので」(北山)

 また寝る前のスマホ使用は「入眠に関わるので」(北山)と極力、ブルーライトカットの眼鏡を着用。枕も現在は使わず、タオルを巻いたものを首に置くという徹底ぶりだ。北山は「立ち姿勢に近い形にしたいので。(枕を)使うにしても首にバスタオルを巻いて首のカーブのところに置くぐらい」と補足している。これだけの陰の努力があれば、結果が伴うのも当然だ。

 自身の夢は日本に止まらない。将来的には尊敬するドジャース・山本由伸投手(26)らが活躍する米メジャー入りも視野に入れる。今春キャンプでは「まだ僕は大した結果を残していませんし、そんなこと(メジャー)を言える立場にはないです。でも、自分が成長するためにも高い目標は常に持っていたいです。そのためにも今年は最低でも2桁勝利はしたい。それからですよ」と力を込めていた26歳右腕。快挙達成こそ逃したが、この姿勢があれば…。近い将来、無安打無得点や完全試合を達成する日も間違いなくやって来る。