ドジャースの大谷翔平投手(30)のライブBP(実戦形式の登板)は9日(日本時間10日)に敵地サンディエゴでのパドレス戦前の予定だったが、移動の都合や8日(同9日)のカージナルス戦で受けた死球などの影響で10日(同11日)に変更された。

 投手復帰はオールスター前後の見通しで、期待されているのは先発でマウンドに上がることだ。しかし、米国内で守護神起用論が浮上している。きっかけは5月31日(同1日)のドジャース戦を中継したFOXの番組に出演したレッドソックスOBのデービッド・オルティス氏(49)が「クローザーになるべき」だと発言。さらに同じくレッドソックスOBでサイ・ヤング賞を3度獲得しているペドロ・マルティネス氏(53)も4日(同5日)、自身のX(旧ツイッター)に「ワールドシリーズで大谷がクローザーを務める姿を見たい」と投稿した。

 そんな中、米メディア「ドジャース・ネーション」は8日(同9日)、オレンジカウンティー・レジスター紙で長年エンゼルス番を務めているジェフ・フレッチャー記者を招き、この守護神論を検証した。

「それは本当にナンセンスだと思う。彼がメジャーにいる間、ずっと言われてきたけど、そんな簡単な話じゃない。たとえば9回表に打席が回ってきたとして、その後すぐ9回裏でマウンドに上がるなんて、どこで肩をつくるのか。WBCで1度だけやったけど、あれは運が良かっただけだ」とフレッチャー記者は一蹴するとこう疑問を呈した。

「リリーフの仕事量は本当に不規則。たとえば敵地の延長戦で、クローザーはいつ出てもいいように毎イニング肩をつくってないとならない。急にリードして登板しなければならないという状況になったらどうするのか?
 9回表に大谷が逆転スリーランを打ったとしたら、その直後にマウンドに上がれるのか?という話になる」

 実際、2023年のWBCで米国との決勝で話題になった「奇跡のクローザー登板」も、偶然が重なった結果だったという。

「WBCの時は本当に運が良かった。打席が回ってこなかった上に、リプレー検証でイニングが3~4分延びたことで、ブルペンでの準備時間が取れた。あれはすべてが完璧にかみ合った例外だった。でも、あんなことが毎回起こるわけじゃない」

 フレッチャー記者はさらに、大谷の登板前のルーティンにも言及。「壁当てから始まって、ウェイトボールの投球など、彼の準備はとにかく長く、念入りだ」と語り、大谷の二刀流が可能なのは、先発投手だからだと断言した。