【元局アナ青池奈津子のメジャー通信】「僕はどの食事もライスと一緒に食べていたけど、本土ではジャスミンライスだったり、しょうゆも違うんだ。僕らは白米にはアロハショーユ、すしはキッコーマン(しょうゆ)なのに、本土はキッコーマンだけ」
白米にしょうゆ? 本土はキッコーマン!? これはオアフ島出身のアイザイア・カイナーファレファが語ってくれた米国本土で受けたカルチャーショックの話だ。アイザイアはビーチとボディーサーフィンをこよなく愛する。
「海ではウツボが怖いんだ。岩に隠れていて、気づかずに踏んだら指をかみちぎられることもある。サメには一度も会ったことがないけど、ウツボには2、3回遭遇している。見たら即、岸。海で事故を防ぐには海をリスペクト、スピリットをリスペクトすることだからね。全てはカルマで、自分自身が海をケアすれば、海も必ず自分のことをケアしてくれる」と、今にもハワイの風が吹いてきそうなさわやかナイスガイだ。
「僕らはスカウトの目に触れるために、本土まで遠征しなければならなかった」
米国の一部といえども、海を隔てたハワイ出身のメジャーリーガーは歴代49人(日本は82人)。野球選手を夢見る少年たちにとって、環境は味方とは言い難い。
「それが自分には良かった。大学の奨学金を得るために、少ないチャンスを大事にする意識が育ったから。当時、両親のお金を無駄にしちゃいけないって思って、プレッシャーも大きかった。でも、短期間の中で最大限やり切る。1年かけてやってきたことを4、5日で全て見せるというメンタリティーは、そこで培った。プレーオフの短期決戦は、まさに自分が育った環境と似ていると思ったよ」
ハワイの人たちは、合衆国サイドを「メインランド(本土)」と呼ぶことが一般的らしい。
「そうだね。どこか外国に行くような感じがある。英語が話せる点は大きな違いだけど、マイナーリーグ時代は、同じように遠いところから来ていたラテン系選手らの方が、むしろ通じるものがあった。時差もきついし、食事も違う。僕はどの食事も…」と冒頭の話に戻るのだが、カルチャーショック(1)は「ハワイでは白米にアロハしょうゆをかける」だ。
「ポルトガルソーセージ、卵、ライスを頼み、アロハしょうゆをかける」とアイザイア。ちなみに英語でしょうゆは「ソイソース」だが、ハワイ出身の友人に「ショーユ」と言い直された。気になってドジャースのハワイアン、カービー・イエーツにも確認したところ「僕は間違いなく、ご飯にアロハショーユをかけるね」と即答された。
カルチャーショック(2)は「ハワイから必ずモチクランチを持ってくる。日本のあられにハワイではリーヒンムイパウダー(砂糖と塩を混ぜた梅干しパウダー)がかかってるんだけど、本土では見つけられないんだ」。
この段階では「ハワイの人も在米の日本人のように、帰省したら郷土の味を持ち帰るんだな」とショックよりも親近感の方が大きかった。日本のあられがハワイ版に進化していることも、何だかうれしい。
でも、まさかアイザイアが「ハワイから持ってくる必須アイテム」にあのアイテムが出てくるとは…。
☆アイザイア・カイナーファレファ 1995年3月23日生まれ、ハワイ州ホノルル出身。2013年のMLBドラフト4巡目(全体130位)でレンジャーズ入り。18年4月のエンゼルス戦でメジャーデビュー。ユーティリティープレーヤーとして活躍し、短縮シーズンとなった20年は三塁手部門でゴールドグラブ賞を獲得。ヤンキース、ブルージェイズと渡り歩き、24年7月からトレード移籍したパイレーツでプレー。祖母は日本人の日系3世。178センチ、88キロ。












