獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス観を語る「獣神激論」。今回は藤田晃生の初優勝で幕を閉じたジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」を総括する。22歳10か月で大会の最年少優勝記録を更新したジュニアの新星をライガーはどう見たのか? さらにIWGPジュニアヘビー級王座(現王者はエル・デスペラード)挑戦への流れにも見解を示した。

【ライガーが語る獣神激論(44)】今年のBOSJは藤田選手が初優勝を飾りました。僕の目には現王者のデスペラード、タッグ王者のYOHや(マスター)ワト、優勝候補の(高橋)ヒロムは、それぞれいろいろな要因があったと思うけど重圧に負けてしまったように見えたね。

 特にデスぺなんかは今、デスマッチの方もやっているじゃない? あくまで個人的な意見なんだけど、ちょっと手を広げ過ぎなんじゃないかなと。僕も最初はいろいろな経験ができていいなと思ってたんですよ。でもちょっと待てよと。そういうところで隙間が生まれてしまって、若くて勢いのある藤田選手に優勝を許してしまったんじゃないかな。

 そんな中で藤田選手は自由にノビノビ、さらにTMDKとして積んできた多くの経験をうまく生かして戦えたと思う。彼の実力というのはもともと誰も文句の言えないところにある。そこにザック(・セイバーJr.)をはじめとした目の前の最高の教材から学んだら、そりゃあスポンジが水を吸うように吸収するよ。最年少優勝の陰で、環境面も絶対に大きかったと思う。

 それにしてもここまで一気に突き抜けたのは大したもの。相撲でも尊富士とか大の里が「最年少」とか「最速」とか言われてるじゃないですか。それは努力もあると思うけど、天賦も間違いなくあると思う。それがまさしく今回の藤田選手だったんじゃないかな。

 IWGPジュニアに関してはデスペラードが24日後楽園大会で葛西純選手とV6戦に臨みます。藤田選手の「葛西純の方を向いているデスペラードに興味がない」という言葉が、さっきの話ともリンクするんじゃないかな。もちろん葛西選手も素晴らしいし、デスペラードとの関係性も分かるんだけど、僕はどうしても「新日本のジュニア王者は今、何を成すべきなのか」と思ってしまうね。BOSJの優勝者にそんなことを言わせちゃダメでしょう。

 デスぺもデスマッチが楽しいんだろうし、生き生きとしてるのは見ていて分かる。でも世界一のジュニアを決めるリーグ戦を優勝した男が「今の王者がヨソを向いてるんだったら興味がない」と言っている言葉の方が、一貫していて筋が通っているように僕には聞こえる。

 だからこそ、ここから注目なのはデスぺ、それからもちろんヒロムの立ち居振る舞い。デスぺがデスマッチをやったり、ヒロムがヘビー級のタッグリーグに出たりするのももちろんいいんだけど、新世代の藤田選手にBOSJを取られて、さあ今までの主役たちはどうするのかというのは、まさにジュニアの時代の分岐点になると思う。ますます新日本のジュニアから目が離せない展開になりそうで、期待してます。