虎将の〝猛虎魂〟の受け止めは――。阪神は7日の巨人戦(東京ドーム)に4―6で敗れ、連勝は2でストップ。巨人と同率首位をキープしたものの、9連戦は4勝5敗で負け越しとなった。
この日、球場が一時騒然となったのが、7回の中野拓夢内野手(28)への死球だ。一死二塁カウント2―2から、巨人3番手・高梨のすっぽ抜けた直球が中野の背中を直撃。その場に倒れ込み、四つんばいになってその場から動けず。スタンドがザワつくとともに、虎党からは大ブーイングが飛んだ。
その瞬間だった。藤川球児監督(44)がコーチ陣、トレーナーとともに三塁ベンチを飛び出し、腰に手を当てて不満げな表情。一触即発かと思われたが、巨人・阿部慎之助監督(46)から手を上げて謝罪を受けると、一塁へ向かった中野を心配そうに見つめながらベンチに引き下がった。
試合後の中野は報道陣に対し、死球を受けたことに「しゃべれません、聞かないでください。大丈夫っていうしかないです」と多くを語らないまま球場を後にした。
死球がらみで言えば、藤川監督には思い起こされる一件もある。4月20日の広島戦(甲子園)の8回に、捕手・坂本が頭部死球を受けて激怒。声を荒らげて〝来い!〟といったしぐさを見せながら広島ベンチに詰め寄り、同戦は警告試合が宣告された。
世間から注目度の高い虎将の激高だっただけに、このシーンはSNS上でも大きな話題となった。球団OBからは「トータルで見れば悪手だったのではないか…。ハレーションが大きすぎたし、阪神の選手が死球を受けるたびにカメラで抜かれるようになってしまったしね」との指摘が上がっていたのも事実だ。
しかしながら、チーム内の反応は全く違う。闘志をむき出しにした虎将に実は称賛の声が飛び交っていたからだ。この広島戦で感情をあらわにした藤川監督について「心強いというか。すごく勝ちたいという闘志みたいなものを監督から感じるんで」と振り返りながら本紙に本音を明かしていたのは、何を隠そう中野だ。そして「そういった思いもしっかりと考えながら、選手が一丸となって勝っていきたいです」とも続けていた。
多くの賛否を呼んだ指揮官の〝ヒートアップ〟は、チームにとって間違いではなかったのかもしれない。












