接戦を落とし、首位の座からも陥落した。広島は25日のDeNA戦(横浜)に1―2で敗れた。

 先発マウンドに立った森下暢仁投手(27)は相手エース・東とともに、し烈な投手戦を展開した。ところが1―1のロースコアで投げ合っていた中、7回二死一、三塁、代打・宮崎の一ゴロを一塁守備に就いていた堂林翔太内野手(33)が後逸。痛恨の適時失策が試合の決勝点となった。

 試合後の新井貴浩監督(48)は、不運に泣いた森下をねぎらいつつ「もう一回、気を引き締めなおして」とコメント。〝残念な敗戦〟になったことを言葉ににじませ、好投した右腕をフォローした。

 しかしながら結果として〝球際〟で若干及ばなかった。チーム打撃陣の今季四球数は25日現在で「56」。現時点ながら1試合平均に換算すると昨季の数値を上回っており、打てない中でも粘り強さが際立つ。同日現在でリーグ2位の77得点をたたき出す下地にもなっている。これは今季開幕前のオープン戦以降、レギュラーシーズンも含めた実戦で「待て」のサインまで出し、3―2のフルカウントにおける局面での場数をあえて増やし、個々の〝打開力〟を徹底して養ってきた成果でもある。

 一方で藤井彰人ヘッドコーチ(48)は、この〝フルカウントの局面〟について「逆もしかり」とも常々口にしている。「逆」とは自軍投手陣への意識付けだ。不要な四球を一つでも減らすべく、開幕前の春季キャンプから同ヘッドは「投手には『(カウント)2―2までに勝負しなさい』と。3―2から結果、抑えたとしても、その内容では、完全にOKとはならないよ」と指導していたという。

 この理論も明白だ。要はフルカウントからコースギリギリに〝ナイスボール〟を投げ込んだとしても、球審の手が挙がらない限り「四球」のジャッジが下されることになる。

 この日の試合においても、それを象徴するシーンが実はあった。1―1で迎えた7回二死。7番・筒香に対し、森下がフルカウントから外角低めに投じた148キロの直球は球審の手が挙がっていてもおかしくない「ナイスボール」。実際に森下本人も試合後、この場面を「ゾーンで勝負できていたらな、というのはあります」と悔しそうに振り返っていた。

 そして、その後は〝野球の七不思議〟とも評すべき負の流れが瞬く間に連鎖した。7回二死一塁から筒香の次打者・山本が左翼へポテンヒット。前記した通り、堂林の〝決勝失策〟へとつながってしまった。

 森下は2敗目こそ喫したとはいえ、7回4安打2失点(自責1)。ハイクオリティスタート(7イニング以上、自責2点以下)の内容だった点を鑑みれば、この一球だけを責めることなどできない。一方でロースコアでの競り負けは、攻守における「四球」の恐ろしさを再認識する一戦にもなった。