阪神がようやく今季ホーム6戦目にして勝利を手にした。11日の中日戦(甲子園)は初回に2点ビハインドの展開だったが、その裏に5連打が飛び出すなど4得点で一気に逆転。そのままリードを保ち、6―3で勝ち切った。

 藤川球児監督(44)は「『あと1球』とか、『あと1人』とか久々に聞いて思い出しましたね。これが勝ちの合図。最後の瞬間かと」と振り返り、監督になって初の「六甲おろし」に現役時代を思い出した様子だった。

 上林の2ランで先制された直後の初回だ。先頭の近本光司外野手(30)が二ゴロに倒れたあと、中野拓夢内野手(28)が突破口を開いた。相手先発の昨季防御率1位・高橋宏から右前打で出塁すると、佐藤輝明内野手(26)が右翼への二塁打で続き一死二、三塁。このチャンスで4番の森下が「(バットの)先っぽでしたけど、いいところに落ちてくれた」としぶとく二塁後方への2点適時打で同点に追いついた。

 続く大山悠輔内野手(30)は中前打で続いて一、二塁。ここで前川右京外野手(21)が三塁線を破る決勝の2点適時打を放った。「強引にいかずに丁寧に。抜けてくれと思って打球を見てました」。高校時代から対戦経験のある難敵を打ち崩し、チームを勝利に導いた。

 4回には中野の適時二塁打、5回は坂本誠志郎捕手(31)の適時打で加点するなど、先発全員今季最多の14安打。この試合が始まるまでは37イニング適時打なしという惨状だったが、長いトンネルから抜け出した。指揮官の「打線の方がつながりを見せてくれた。反発力が出た」という言葉に実感がこもっていた。

 この日、3安打の中野はバットを変えて試合に臨んだ。「ロッカーにあった井上広大選手のバットを練習で使ってみたら感覚が良かったんで」といつもの相棒から〝浮気〟したことが功を奏した。スラッガータイプの重めのバットを短く持ってスイング。これがハマった。

 昨季、中日とは甲子園11戦で10勝1分負けなしの好相性。監督が代わった今季も変わらぬ強さを見せつけた。