まだまだこれからや――。プロ初勝利を挙げたばかりの阪神・門別啓人投手(20)が7日に投手指名練習に参加。甲子園球場でキャッチボールなどに取り組んで汗を流した。

 前日6日の巨人戦(東京ドーム)では6回途中まで5安打無失点の粘投。「会う人、会う人に『ナイスピー』と言われてうれしいです」と笑顔をのぞかせつつ「気持ち的にはいつもと変わんなくて。次も勝ちたいので、そこに向けてやっていこうという感じです」と表情を引き締めた。

 そんな高卒3年目左腕がマークした記念すべき勝ち星に、東海大札幌高の恩師でもある大脇英徳前監督(49)も「本当によかったなと。これから何十勝、何百勝する中の1勝目なので、記念かなと思いますね」と目を細めた。

 ここからが大出世へのスタートだ。3月中旬から開催された第97回選抜高校野球大会の期間中には、ちょっぴり屈辱的な出来事もあった。カブスとのプレシーズンゲーム(東京ドーム)で5回無安打無失点の〝無双投球〟を披露した後、10年ぶりのセンバツ出場となった母校の応援に駆けつけたのだが…。

「センバツの時に甲子園に来てくれたんですが、道を歩いていても、そのへんの大学生みたいで。喫茶店に行ってコーヒーも飲んでましたが、誰も門別と気づいてなかったんですよ」(大脇前監督)

 虎党の間では有望な若手投手の一人として人気を誇る一方、高校野球ファンから声をかけられることはなかったという。そんな左腕に向けて、恩師は「(門別自身が)自分のやることは分かっていますし、動じないところがアイツのいいところ。期待していますし、球界で愛される存在を目指して、これからも取り組んでほしいですね」とエールを送った。

 今はまだ知名度が高くなくても、カブス打線や巨人打線を翻ろうした冷静な投球を披露できれば、世界中に「MOMBETSU」の名をとどろかせる日もそう遠くないはずだ。