つかんだら離すな――。7年ぶりのリーグ優勝を目指す広島は28日の開幕戦で阪神と激突する。

 新井貴浩監督(48)は27日に阪神・藤川監督とともに前日会見に出席。「期待する選手」に「全員」といったありがちな〝模範解答〟ではなく「オープン戦ですごくいいものを見せてくれました」と5年目・二俣の名前を挙げた。

 次代の主力野手育成を掲げる今季、指揮官自身も確実に変化した部分がある。それは選手に対しての〝当たり〟の強さだ。故障などで離脱を余儀なくされてしまった選手への声掛けからも垣間見ることができる。

 就任してから昨季までの2年間は、若手やベテランを問わず「まずはコンディションを戻して」と、常に選手に寄り添うような言葉をかけてきた。ところが、3年目を迎えた今年のオープン戦では正反対の言葉を発するようになっていた

 例えば今月上旬に右手骨折が判明し、開幕絶望が確定した正捕手の坂倉には「めちゃくちゃ焦って治してこい」と直接伝えた。新井監督が現役だった2008年の北京五輪に腰を疲労骨折しながら強行出場した例を引き合いに「『痛いか、痛くないか』じゃなく、自分が『(プレーを)できると思うか、できないと思うか』ですよ」など、かなり〝昭和的〟な発想も披露するようになっている。
 さらに、1試合4安打と気を吐いた4年目・田村が、翌15日の試合を体調不良で欠場すると「もったいない。本人がどう思うか」とし「ウチには、ほかにも試合に出たい選手はいっぱいいるからね」とチクリ。理由はどうあれ、自ら出場機会を手放す形となった選手には忖度なしの姿勢を見せている。

 何より新井監督自身が技術面の器用さよりも、フィジカルや精神的な強さを武器に成功をつかんだタイプでもある。今後、指揮官がレギュラーと認めるのは「うまい選手ではなく、強い選手」。長丁場のシーズンで厳しい条件を満たす屈強な鯉戦士は現れるのか…。