広島が次代の主力育成を目指し、積極的な〝若鯉強化〟を進めている。その中で「成長度ナンバー1」の躍進ぶりを披露しているのが、育成出身の5年目・二俣翔一内野手(22)だ。

 昨季は二遊間、三塁の守備固めや代走起用が中心だった育成出身の叩き上げ。今春から「打」でも成長の足跡を示し、キャンプ以降の実戦で4本塁打をマークしている。オープン戦に絞ってみると11日以降は全試合で先発し、打率2割2分9厘ながら規定打席に到達。ここまで若鯉には総じて辛口評価が多い新井貴浩監督(48)も「若手では頭ひとつ抜けている」と目を細め、成長を認める存在となってきた。

 もちろんレベルアップには、確固たる下地もある。昨季までスイング時に力を加えていた指は両手の親指と中指、薬指のみ。両手ともに人さし指は握らずピンと伸ばす状態にしていた。そして左小指をグリップにかけ、逆に右小指は触れずに伸ばしたまま。このスタイルが、それまで二俣本人の中では「最もしっくりとくるもの」だったという。

広島・二俣の2024年のバットの握り(左)と今年の握り。右手人さし指(上)に変化が
広島・二俣の2024年のバットの握り(左)と今年の握り。右手人さし指(上)に変化が

 転機となったのは、4年目のシーズンを終えて迎えた昨年の秋季キャンプだった。理想とした「ボールを上からつぶすイメージ」を体現すべく藤井ヘッドコーチと試行錯誤を重ねていた中、バットの握り方も再考した。

 それまでスイング時には「不要」としていた左手の小指をグリップの上で握り、同様に右手の人さし指も握力が加わるようにホールド。8本の指で握るスタイルに切り替えた。

 このマイナーチェンジでスイング時、今まで以上にバットのヘッドを利かせて振る感覚が鋭敏化。さらに右手の人さし指を加えたことによってインパクト時には、投手の球を打ち返す際に「右手でボールを押し込む感覚」も得られるようになったという。

 昨年までにはない「手応え」が、右手の人さし指の感覚だ。二俣は「これまで浮かしていたのをギュッと握ることで、めちゃくちゃ押し込めてボールを潰せる感覚で打てるようになりました」と胸を張る。

 バットに新たな「指2本分の力」を加え、打撃開眼と念願のレギュラー獲得を目指す。