ドジャースの佐々木朗希投手(23)は4日(日本時間5日)にアリゾナ州グレンデールでのレッズ戦に5回から2番手でオープン戦初登板し、3回を2安打無失点、5三振2四死球だった。今年最速の99.3マイル(約159.8キロ)をマーク、落差最大48インチ(約121.9センチ)の怪奇スプリットで7つの空振りを奪うなど、オフの移籍市場で投手の最大の目玉として大争奪戦が繰り広げられたことを納得させる快投だった。底の見えない“令和の怪物”をドジャースの番記者はどう見ているのか。

 全米注目の初実戦だった。注目の初球は99.2マイル(約159.6キロ)をマーク。最速は6回にフレーリーの2球目に投じた99.3マイル(約159.8キロ)だった。25球投げたフォーシームは平均98マイル(約157.7キロ)だった。2月25日(同26日)に登板したホワイトソックスのマイナー相手のライブBPでの最速「90マイル半ば」から上がった。

 球速が復活したことで伝家の宝刀スプリットも生きた。18球投げて、最大落差は48インチ(約121.9センチ)を記録し、平均42インチ(約106.7センチ)。先発した山本由伸投手(26)は最大33インチ(約83.8センチ)で平均30インチ(約76センチ)だった。“お化けフォーク”と話題になった2023年のメッツの千賀滉大投手(32)が平均39インチ(約99センチ)だったことを考えると怪奇と表現するしかない。

 ロバーツ監督は「速球みたいな軌道である球は真下に落ちるし、ある球は左や右に動く。打者はしっかり捉えることが難しい」と異様な変化を説明。マスクをかぶったフェドゥシアも「独特な変化をする。ちょっとナックルボールのような感じで沈み方が独特。少し遅くて、沈む動きがずっと続く感じ」と証言した。MLB公式サイトは1月29日(同30日)に「いつでもどこでも打たれない」とし、「おそらく最高のスプリットだろう」と早々と認定している。

 ついにベールを脱いだ佐々木にドジャースの番記者は何を感じたか。米スポーツサイトのアスレチックのファビアン・アルダーヤ記者は「ロウキはまだまだたくさんの疑問がある。どんな投手になるのか、どうメジャーに適合していくのかなど。彼自身、まだ発展途中と言っているが、その発展とはいったいどんなものなのか」と将来性を期待する。

 オレンジカウンティー・レジスター紙のビル・プランケット記者は「ロウキはメジャーでの投球を見るのが初めてだから、未知のワクワク感がある。彼はナ・リーグの新人王争いにも絡んでくるだろうしね」と新人王候補に挙げた。

 ロサンゼルス・タイムズ紙のジャック・ハリス記者は「まだこれからって感じだけど、まずフレーム(体格)や投球フォームがすごく自然で、まさに理想的なピッチャーって印象を受けるね」と語るとこう続けた。

「スプリットはとにかく打ちにくいし、キャッチャーですら捕るのが難しいって皆が口を揃えるね。今の課題は、3つ目の球種をしっかり確立すること。それができれば、メジャーの打者にもっと通用するはず。ドジャースが彼を獲得した理由がすでに見えているし、ここからはその才能を磨いて、本人が理想とする完成形に近づけていく段階」。レッズ打線相手に第3の球種になる可能性のあるスライダーは3球だけ。ストライク1、ボール2だった。

 今年から番記者を務めるMLB公式サイトのソニア・チェン記者は「すごく観察力が鋭いし、いろんなことを吸収しようとしているのが伝わってくる。新人らしく、一つひとつ慣れていこうとしてる感じで、それが悪いことではなくて、むしろ自然な流れだと思う。彼自身、今はメジャーに適応することにすごく集中してるように見える」とキャンプインから短い時間での成長を感じている。

 佐々木の次回登板は11日(同12日)のガーディアンズ戦の予定。18日の日本開幕前にどんな投球を見せてくれるか楽しみだ。