韓国の政治が大揺れだ。混乱の裏にロシアと中国の影が見え隠れしているというが、いったいどういうことなのか。また、尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領が非常戒厳を宣言するもすぐに解除したことで、北朝鮮国内で韓国への憧れの気持ちが強まっているという。

 韓国与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表は8日、「秩序ある尹錫悦大統領の早期退陣で、大韓民国と国民に及ぼす混乱を最小限に抑えながら、安定的に政局を収拾する」と明らかにした。

 7日の国会本会議で、野党6党が提出した大統領弾劾訴追案は与党議員の集団ボイコットで不成立となったが、その与党は弾劾方式ではなく政府・与党中心の国政収拾策を出したのだ。

 しかも韓代表は、尹氏が辞任するまで「外交を含む国政に関与させない」と断言。韓代表は、韓悳洙(ハン・ドクス)首相と協議しながら今後の国政運営に当たっていく方針だという。

 一方、最大野党の「共に民主党」は、政府・与党が政局を収拾させようとしていることに対して「第二次内乱」とし、大統領弾劾以外の案は選択肢にないとしている。共に民主党は11日にも臨時国会を開き、弾劾訴追案を再提出する予定。同党の李在明(イ・ジェミョン)代表は「14日に必ず尹錫悦を弾劾する」と述べた。

 韓国事情通は「野党は大統領権限を代行する法的根拠が不明だとして強く反発しています。確かに国民が選んだ大統領を政党の代表が『関与させない』と決めるのはメチャクチャです。尹氏が非常戒厳を出したのもメチャクチャですが、そこまで追い詰められるほど政権運営を妨害した野党もメチャクチャです」と指摘する。なお、検察は8日、内乱と職権乱用の疑いで尹氏を捜査していると明らかにしている。

 ここまで韓国の政界が混乱している背景には、ロシア、中国の影がちらついているという。

 軍事事情通は「ロシアの元オリガルヒのシンクタンク『ホドルコフスキー・ネットワーク』によると、朝鮮半島情勢の悪化は、BRICS圏に敵対する国々で革命を起こす方法を模索しているロシアと中国の協調行動の結果であるとの分析があります。ロシアと中国は危機を利用して情報キャンペーン、世論操作、抗議運動の支援を通じて不安定化する方法を研究し、試しているそうです。そして韓国がその実験の中心にいたわけです。ただし、非常戒厳が長期にわたって続くとみていたのに、短時間で終わったのは誤算だったようです」と語る。

 一方、この非常戒厳失敗は北朝鮮に大きな影響を与えたようだ。

「非常戒厳のことが北朝鮮の住民に広がっているのです。中国と北朝鮮を行き来する華僑や貿易関係者がこのニュースを住民に伝えているということです。そして、住民は非常戒厳を宣言したのに議会の反対で解除されたことに驚いているそうです。『トップの言うことに反対したら、北朝鮮なら銃殺される』として、国民の力でトップの言動を変えられる韓国への憧れが強まっているそうです」(同)

 韓国政治の混乱はまだまだ続きそうだ。