オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第199回は「さかさまの死神」だ。
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 死神だが、なぜか逆さまになって姿を現すと言われている。逆さまとは、生きる者と逆の意味、つまり死者を表すのだろうか。夜に窓の向こうに逆さまになって、黒いファッションで現れる。黒い衣装はまさに死神の象徴である。

 ある男の子が生まれたばかりの時、家族の目の前に「さかさまの死神」が姿を現した。その後、お宮参りで「この子は神様の子供だから長く生きられない」と言われてしまった。

「そんなことはないだろう!」と激怒した両親は、違う神社にお宮参りに行ったら、そこでも同じことを言われた。

 結局、その男の子は泳ぎが上手だったにもかかわらず、水の事故で亡くなってしまった。この男の子はさかさまの死神の呪いに打ち勝てなかったのであろうか。

 他にも黒いファッションで逆立ちした状態で笑いかける死神を見た人がいる。その人は2階にいるにもかかわらず、思わず窓から飛び出そうとしてしまった。この男性は危うく、さかさまの死神の餌食になるところであった。

 他にも、逆さまになって姿を現す怪異は多い。沖縄県に主に姿を現している「逆さまの幽霊」はその顕著な例である。木の上から姿を現して生きる者を追い詰めていく。地元では映画化されており、なかなか有名な存在である。他にも本州では逆立ちして現れ、呪い殺す家に貼られたお札をはがすように迫る「逆立ち幽霊」などが確認されている。