オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第195回は「助さん」だ。
とある地域に出没すると言われている、人助けをする妖怪である。
例えば、大勢の村人で田植えを行っていると、とても終わりそうにもなかったはずなのに、夕方には完全に終わっていることがある。それは「助さん」がひそかに手伝ってくれたのだ。
筆者にこの妖怪のことを教えてくれた人物によると、こんな話が残されているという。
その家では正月が近くなると、親戚や近所の人たちを集めて餠つきをするのがならわしになっていた。ある年のこと、餠つきの主力メンバーであった母親が手伝えなくなってしまった。残った家族で力を合わせて餠つきをすることになった。
母親がいつもやっていた餠を丸める作業が大変になるだろうと思いきや、なぜだかきれいにお餠が丸まっていく。どうやら、餠を丸めることが得意な人間が交じっているらしい。
一体誰が来ているのであろうと思って、何度か顔を見ようとするが、なぜか顔を見ることができない。そのうち、年寄りから「助さんが来ているらしい。無理に顔を見ようとするな」と言われた。その日の餠つきは成功のうちに終わった。
グリム童話には、真夜中に靴屋の仕事を手伝う小人がいると言われている。妖精の一種であり、名前はレプラコーン。姿を人に見られると去っていくという。どこか、助さんと共通する存在だ。












