目指すは世界だ――。昨年8月の全国高校総体(インターハイ)で陸上女子800メートルを制した久保凛(16=東大阪大敬愛高1年)が単独インタビューに応じ、日の丸への思いを語った。サッカー日本代表MF久保建英(22=レアル・ソシエダード)のいとことしても注目を集めるが「気にしてはいない」と自然体。憧れの存在である日本女子中長距離界のエース・田中希実(ニューバランス)の背中を追いかける未来のオリンピアンが描く夢に迫った。
実業団や大学生の選手を相手にしても、ひるむことはなかった。2月の「ADIDAS TOKYO CITY RUN 2024」の招待女子5キロでは、終盤の競り合いで粘り強さを発揮して16分22秒で優勝した。
久保 実業団や大学生の選手と走るのは今回が初めてだった。上の選手と走れたことは学びになったし、長い距離を走れたのは収穫。中学生のころは最初に突っ込んで後半に失速したりしたが、今大会の前半は(先頭集団の)後ろで余裕を持って走ることができたり、ラストスパートの部分で競り勝つなど、いろいろ学ぶことができました。
和歌山・串本町出身で、幼少期から自然豊かな環境で育った。昔から動き回ることが好きで、自身の競技人生にとって大きなプラスになった。
久保 サッカーをしたり、走ったり、砂浜にも遊びに行ったりしていた。自分の住んでいたところは田舎だったけど、だからこそ、自然の中で落ち着いて自分の練習ができたりした点に関しては、自然があってよかったなと思います。
かつてはサッカー少女だったものの、現在は大阪で陸上漬けの日々を過ごす。潮岬中学3年時に日本一を経験し、日の丸への思いが高まった中で、建英からも刺激を受けている。
久保 以前は日の丸は小さな目標で、日の丸を背負っている選手ってかっこいいなと思っていたけど、全中(全日本中学校選手権)で優勝したことでより日の丸を背負える選手になりたいと思った。自分も(建英が)世界で戦う姿を見て、日の丸を背負えるようになりたい思いがあります。
世界の舞台を見据える上で、理想像は田中のようなオールラウンダーだ。また、競技外の部分も参考にしている点が多いと明かす。
久保 短い距離から長い距離までどんな距離でも対応できるところがすごいし、自分も800メートルだけじゃなくて他の種目にも挑戦して、対応していける選手になりたい。人としても魅力的というか、礼儀の面などにも憧れているので、走りの面だけじゃなくて、人としても憧れています。
近年の日本女子中長距離界は田中を筆頭に、世界の舞台で存在感を発揮している。久保も先輩たちに負けじと、己の走りで新たな歴史を刻む覚悟だ。
久保 将来は日の丸を背負ってメインの800メートルで五輪や世界選手権で走れるような選手になりたいし、他の種目も挑戦して通用する選手になりたい。800メートルで世界は少し難しいかもしれないが、自分がそれを実現するという気持ちでこれからも取り組んでいきたいです。
☆くぼ・りん 2008年1月20日生まれ。和歌山・串本町出身。小学校時代はサッカー少女だったものの、地元の駅伝大会で区間新記録をマークしたことがきっかけで陸上の世界に飛び込む。潮岬中学3年時に全日本中学校選手権(全中)の800メートルで優勝。東大阪大敬愛高に進学すると、昨年8月の全国高校総体の同種目で1年生ながら頂点に立った。同月の日韓中ジュニア交流競技会で日の丸デビュー。父方のいとこはサッカー日本代表MF久保建英。












